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長谷川会長

 特集 全日本女子野球連盟・長谷川一雄会長にインタビュー

女子野球の発展のため全員が同じ目標に向かって進む事が大切

松山の全日本選手権開会式(写真提供/履正社RectoVenus)

2014年4月1日、女子硬式野球の全国組織「全日本女子野球連盟」が発足した。会長に就任した長谷川一雄氏(15年3月まで「日本女子野球協会」の会長と兼務)に抱負を語っていただいた。なお女子軟式野球の団体はこの連盟には加盟していない。

年齢と地域と、2つの視点で作った全国組織

長谷川会長

――全国組織設立の目的を教えてください。
長谷川 女子硬式野球の認知度アップと底辺拡大、選手の強化、女子野球選手の活躍の場を広げることです。

――組織の概要はどのようになっていますか?
長谷川 今までアマチュア女子硬式野球界には3つの連盟がありました。一つは高校の連盟(全国高等学校女子硬式野球連盟、97年創設)、2つ目は関東の連盟(関東女子硬式野球連盟、02年創設)、そして大学の連盟(全国大学女子硬式野球連盟、12年創設)です。
 これらを傘下におさめ、そのうえで新たにクラブとユース(18歳以下)の連盟の設立を急いでいます。というのも、この2つができることによってユース→高校→大学→クラブという子どもから大人までの一貫した人材育成の環境ができるからです。

――関東のような地域の連盟はどういう位置づけになるのですか?
長谷川 我々が考えているのは一つは年齢に応じた人材育成の流れ、もう一つは地域における女子硬式野球の定着、発展です。だから今後は地域の連盟も増やしていきたい。やっぱり各地域でリーグ戦をやってもらわないと底辺が広がらないし、人も育ちませんから。
 ただまだ連盟ができるほど地方にチームがないんです。関東以外では関西にチームが増えているので、13年に「関西女子硬式野球連絡協議会」という組織ができましたが、まずはそれを連盟にしてほしいと現地のみなさんにお願いしています。

――つまり全日本女子野球連盟の傘下に年齢別の連盟と地域別の連盟が共存するということですね?
長谷川 そうです。

準備期間1年ちょっと。全国組織ができた経緯

――今度の連盟ができたのは日本野球連盟(JABA)から「女子の(硬式の)全国組織を作りなさい」という指導があったからだと聞いていますが、具体的な経緯を教えてください。
長谷川 日本野球連盟は02年に日本女子野球協会が傘下に入ったときから、いずれは点在する女子硬式野球の組織(高校や関東の連盟、日本女子野球協会)を一本化できないかと考えていたようです。
 

高校生の全国大会(14年春。蒲田女子高校vs福知山成美高校による決勝)

 当時高校や関東の連盟は既存の野球団体に属さなかったため、その中心になって動くのは日本野球連盟に加盟し、日本代表の選考、派遣をしていた日本女子野球協会がやるべきでしたが、協会には所属チームもなければ選手もいなかったので女子硬式野球界を一つにまとめるのは難しかった。

 ところが10年に女子プロ野球リーグが始まり、12年に日本代表がワールドカップで3連覇するに至って、世の中に急速に女子野球の機運が高まってきた。そこでこのままではいけないということで、日本野球連盟から「全国組織を作りなさい」という指導があったわけです。

――それまでバラバラに活動していた連盟をまとめるのは大変だったのではないですか? 長谷川会長が自ら説得に回ったと聞いていますが。
長谷川 バラバラということでいえば、私が一番最初に驚いたのは「日程調整がつかないから」という理由で松山で開かれる全日本選手権に出てこれないチームがあったことです。また色々な大会に出たくても遠征費の問題でできないチームも多かった。

 それならみんなが一堂に会して日程調整をしましょうと。そうすれば全日本選手権に参加できるようになるし、うまく日程を組めば何度も行ったり来たりせずに色々な大会に参加できるようになるでしょう。たとえば丹波の高校の選手権大会のあと、その足で松山の全日本選手権に行けたらかなり旅費の節約になりますよね。
 またそういうことをふくめて、女子野球の発展のために全員が共通の目標をもって一つになって進むべきなんじゃないかとお話ししました。するとみなさんも前々から同じことを思っていらしたということで、「やりましょう」となったのです。

――連盟役員のお名前を拝見すると(表)、ユースからクラブチームまで、年代別の連盟を作るにあたっての核になる人たちや、北海道、関東、関西、中国、四国、九州といった地域を代表する方々が入っていますね。

全日本女子野球連盟 役員リスト

長谷川 そうです。どの年代からも、また現在チームがあるどの地域からも意見を吸い上げられるようにしたつもりです。今後別の地域に連盟ができれば、そちらの意見も入れられるようにしたいと思っています。

――設立のプロジェクトはいつごろから動き始めたのですか?
長谷川 昨年(13年)4月に初めての準備会合を開きました。ですから連盟が発足したのは今年の4月ですが、昨年の間にすでに様々な問題について協議がなされていました。
 たとえば年末の日本代表のトライアウトでは、より強いチームを作るために一次テストの前に監督推薦というハードルを設けましたが、それはこの会議で決まったことなんです。そして全国から集まった役員のみなさんが決めたことだから、自信をもって新しい方法を取り入れることができた。それが前回のエドモントン大会の時との違いで、あの時はみなさんのお考えがわかりませんから、小学生から大人まで、軟式から硬式まで、不特定多数の中から選ぶしかなかったわけです。

――今後連盟としての意志決定は、こうした役員会議によってなされるのですか?
長谷川 はい、そうなります。ただ全国から来ていただくわけだから、経済的にそうしょっちゅうは集まれないんです。だから全国大会に合わせて集まるとか、メールによる電子会議なども考えたいと思っています。

――新連盟ができたことによって、以前からの連盟の活動が制限されることはありますか?
長谷川 ありません。日程調整でご苦労をかけるかもしれませんが、調整後はむしろスムーズに動けるようになります。

硬式選手の目標、松山の選手権大会(写真提供/履正社RectoVenus)

――今まで日本女子野球協会が主催していた「全日本女子硬式野球選手権大会」と「全日本女子硬式クラブ野球選手権大会」は新連盟が運営するのですか?
長谷川 そうです。実はまだ夢物語なんですが、私は年齢別の連盟と地域別の連盟が整ってきたら、全日本選手権はそれぞれの連盟のトップが集まる大会にしたいんです。今は参加したければどこのチームでも参加できますが、今後もそういうやり方をしていたら規模が大きくなる一方だし、やはり日本の最高峰の大会といえるだけのレベルにもっていきたい。

――そのためには競技としての魅力を高め、認知度も高めて競技人口を増やさないといけませんね。
長谷川 その意味でも日本でのワールドカップの開催は重要だと思いますよ。特にBS、CSでは毎日放送がありますから、それは本当にありがたい。また我々としてもFacebookやネット放送など、色々な方法でPRに努めていきます。

ドーピング教育、審判講習会。新連盟として取り組みたいこと

――新連盟として組織作りのほかにどんなことに取り組みたいと思っていますか?
長谷川 ドーピング教育についてはできるだけ早くやりたいですね。前回のエドモントン大会のとき、僕は選手にドーピング読本を配ったくらい重要なことだと考えているんです。女性は将来お母さんになるわけだから、その意味でもドーピングに対する意識をきちっともってもらいたいんです。
 あとは審判講習会とか指導者講習会もやりたいですね。現役を終えた後もやはり野球に関わりたいという選手がいれば、当然必要になってきますから。

――女子硬式野球の将来を見越して様々な手を打っていきたいと。
長谷川 そうです。でも女子野球が発展していくうえで僕が一番大事だと思っているのはクラブチームなんです。たとえば若いころは世界一を目指しますといってやっていても、いずれ結婚して子どもができたり体力が衰えてくれば、生涯スポーツの観点で野球を楽しみたいという人たちが必ず出てくる。僕はそれで全く問題ないと思うし、楽しんで野球ができるならありがたい。だからそういう人たちの受け皿になるクラブチームというものがもっともっと充実していくことが大切なんです。

 もちろん硬式を離れて軟式に行く人もいるでしょう。それはそれでご本人の自由です。ただ野球をやる場がないというのは困りますよね。だからやりたければいつでもできるという、そういう環境を作っていきたいと思っています。
 

全日本女子野球連盟(WOMEN’S BASEBALL FEDERATION OF JAPAN) 

マーク

マークの意味を聞いてみました。

「モチーフはチェスのクイーンで、野球を象徴するために頭はボールにしました。優雅さ、気品、強さ、優しさを表現しています。
下部の三つ星は、連盟結成時の世界制覇の数(ワールドカップ3連覇)を表しています」(事務局)

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