女子野球情報 

14年9月

埼玉県の叡明高校に女子硬式野球部誕生。監督は元女子プロ野球選手(2014年9月26日)

 また一つ、元女子プロ野球選手が指導する女子硬式野球部が誕生することになった。作るのは来年4月に現在の小松原高校から校名変更する叡明(えいめい)高校。監督に就任するのは女子プロ野球1期生として活躍し、「ノースレイア」を最後に13年に引退した田中碧(たなかみどり)さん(27歳)だ。

田中碧さん

 小松原高校は1959年(昭和34年)に男子校としてスタート。同校を運営する小松原学園がまもなく創立80周年を迎えるのを機に共学化し、場所も現在のさいたま市から越谷市に移転することになった。

 その叡明高校に女子硬式野球部が誕生することになったのは、ひとえに田中さんの熱意による。
「プロ引退後、小松原高校で非常勤講師をしていたのですが、共学化の話を聞いて、『それならぜひ女子硬式野球部を』と学校に何度も話をしました」
 女子のためにどんな部を作ったらいいか話し合いを重ねていた学校は、田中さんの熱意を知って、それならばとゴーサインを出したのだ。

 田中さんの思いの原点は高校時代にある。野球がしたくて北海道の苫小牧から埼玉栄高校に進学した田中さんは、女子硬式野球部の斎藤賢明監督から、「君たちは女子野球の先駆者だ。女子の環境を広げるのは君たちなんだ」という趣旨の言葉を聞いて衝撃を受けたという。 
 
 初めて女子野球界における自分の役割を理解した田中さんは、いつか高校で女子の指導をしたいと思って大学に教員免許を取りに行った。プロに行ってもその思いを忘れたことはなく、それが今回の創部につながったのだ。

「女の子が野球をできる環境が増えたことがすごくうれしいです。勝ち負けも大事ですが、この学校に来て良かった、野球をやって良かったと思ってもらえたら…。野球をやりたいという人はぜひいらしてください。3年間、ともに汗を流し、野球を通して心技体を身につけていきましょう」

叡明学校完成予想図

 今のところ女子専用グラウンドを作る予定はないが、新キャンパスは広く、また東浦和駅からほど近い小松原高校専用の総合運動場も引き続き使えるので、練習場所にはこと欠かないという。新キャンパス内の野球場も男子野球部とうまく調整しながら使用する予定だ。女子寮の建設予定もないので、遠方から入学する生徒は自分で住まいを探すことになるだろう。

 なお小松原学園には小松原女子高校という女子校もあるが、女子硬式野球部ができるのはこちらではなく、また女子校の生徒は叡明高校の女子硬式野球部には入れないのでお間違えなく。詳しくは学校説明会などで確認してほしい。

●学校説明会/11月8、15、22、29日、12月13日
●校外学校説明会/10月13、26日
●個別相談会/11月16、23日、12月14、21、27日、1月4日
●参考URL/http://www.khs.komatsubara.ac.jp/danshi/(小松原高校)
●問い合わせ先/048-885-1488(小松原高校) 担当・石渡(いしわた)

※写真提供/日本女子プロ野球機構、小松原高校 


神村学園の通信制課程京都校が女子硬式野球部を創部(2014年9月26日)

 来年4月、ユニークな女子硬式野球部が誕生することになった。京都にある神村学園高等部通信制課程「京都学習センター」が立ち上げる「神村学園女子硬式野球アカデミー(仮称)」だ。

 同校には自宅で学ぶコースだけでなく、四条烏丸の京都学習センターに登校して授業を受けるコースなどが用意されており、女子硬式野球部ができるのは後者のタイプの「女子野球アカデミー」コース。野球をメインに高校生としての勉強もしっかりするというのがコンセプトだ。
 

使用予定の伏見桃山城運動公園のグラウンド

 入学すれば平日の午前中はセンター内で勉強し(3限)、午後は専用車で市内のグラウンドに移動して野球の練習。夕方には帰宅して、夜は自宅で過ごすもよし、働いてもよしという生活になる。グラウンドは伏見桃山城運動公園野球場など公共のものを使うが、もしグラウンドを抑えられなければ滋賀県まで移動し、草津シニアの専用グラウンドなどで練習する。

 メインで募集するのは15歳(中学3年)から18歳までの、いわゆる高校世代だが、もっと年齢が上の社会人(高校を卒業していない人)でも受け入れを検討するという。教科書は通信制課程用のものを使用。高校生として必須の基礎的内容に絞り込んでいるので、1日3限の勉強でも充分知識を身に着けられるという。卒業にあたっては全日制の神村学園高等部の生徒と同じ卒業証書がもらえる。

 しかしすでに3つも全日制高校の女子硬式野球部がある京都で、登校型とはいえ、通信制の学校が野球部を作る意味はどこにあるのだろう。藤若聡センター長にうかがった。

「野球が大好きでも高校をやめてしまったとか、働かなければならないので高校へ進学しなかったという方がたくさんいらっしゃいます。通信制のいいところはそういう方でも昼の時間帯に野球と勉強の両方をすることが可能で、しかも仕事を続けられる可能性もあることです。
 また、たとえば高校1年のカリキュラムを修了した時点で中退した人なら高校2年の勉強から始められますし、20歳を過ぎたけどもう一度勉強したいという人も、通信制課程なら始めやすいのです」
 

 女子プロ野球を目指している人はもちろん、初心者でも入学でき、指導は業務提携している滋賀県の社会人硬式野球チーム「OBC高島」のスタッフが当たる。実は同センターには既に同じ考えで作られた男子の野球アカデミーがあり、こちらの指導もOBC高島が行っている(ただし授業と野球は滋賀県)。
 
 創部後は各種女子硬式野球大会に参加し、人数がそろえば高校生の全国大会にも参加したいという。

 人生のあり方は一つではない。全日制高校以外にも昼に野球と勉強ができる場ができるのは歓迎だ。なお27日には女子硬式野球部監督に就任予定の徳地正典氏(OBC高島)と、鹿児島本校の女子硬式野球部の橋本徳二監督による合同説明会と体験練習会が開かれる。興味のある人はぜひ足を運んでほしい。

説明会&練習会

●日時/9月27日(土) 10時~14時半
●場所/神村学園高等部通信制課程「京都学習センター」&朱雀公園グラウンド
●持ち物/運動靴、グラブ、運動のできる服、お弁当など
●参考URL/https://kamitu.jp/sp/(京都学習センター)
●問い合わせ先/075-353-3087(京都学習センター) 担当・藤若

※写真提供/京都学習センター


日体大、通算17回目の全国制覇!(2014年9月3日)

 8月22~28日、富山県魚津市で行われた「第28回全日本大学女子野球選手権大会」で、日本体育大学(東京都)が2年連続17回目の優勝を果たした。

28回のうち17回も優勝している日体大

 今年は25大学22チームが参加。日本体育大学、東京女子体育大学、大阪体育大学といった体育大学をはじめ、早稲田大学、上智大学、富山大学、椙山女学園大学といった一般大学、大阪芸術大学、多摩美術大学などのアート系大学、愛知医療学院短期大学のような医療系の大学など、様々なジャンルの大学チームが集まった。

 大学生ともなると就職をにらんで野球一筋とはいかなくなるが、皆勉強の合間に野球に励み、魚津への遠征費を稼ぐために1年間アルバイトに精を出してこの日を迎えた。

 今年のトピックスはなんといっても園田学園女子大学(兵庫県)の快進撃だろう。出場回数今年で6回。今まで1回戦ガールだったチームが強豪大学や体育大学を破って準決勝に進出したのだからギャラリーはびっくり。残念ながら3位決定戦で破れたが、会場を大いに湧かせた。

決勝のスコアボード

 決勝戦は準決勝で至学館大学(愛知県)を2-1(サドンデス)で破った日本体育大学と、園田学園女子大学を9-0で破った日本女子体育大学(東京都)の対戦となった。日体大は昨年の覇者、日女体は一昨年の覇者だ。

 試合は1回表、日女体が2死ランナー三塁のチャンスに星島沙紀(芝山高校)が先制タイムリーを放って1点を奪うが、2回裏、日体大は死球とヒットで出たランナーを相手エラーと適時打で返して逆転。3回には日女体打線が日体大の橋本美貴投手(横浜隼人高校)をとらえて連打で1点追加するが、その裏、日体大は2点適時打で日女体を4-2と突き放し、優勝した。
 日女体のヒット数は10本と日体大の3本を大きく上回ったが、2回裏のエラーがらみの失点などが響いて優勝旗の奪還はならなかった。

 なお最終日には昨年の日体大の優勝投手で、現在女子プロ野球チーム「イーストアストライア」でプレーする山崎舞選手が訪れ、学生たちを激励したという。

優勝、日本体育大学 準優勝、日本女子体育大学 3位、至学館大学

満面の笑みの日体大 上智vs日女体。ランナーは星島選手 3位決定戦、至学館(攻撃)vs園田学園
 

■ 大躍進の園田学園女子大学にズームイン!

 1回戦で跡見学園女子大学を12-0で、2回戦で和洋女子大学と東京海洋大学の連合チームを35-0で破った園田学園女子大学は、3回戦でも東京女子体育大学にまさかの勝利(2-1)。準決勝では日本女子体育大学に0-9で敗れたとはいえ、ダークホース現ると、観客を大いに楽しませた。

最優秀投手に選ばれた1年生、松浦優花投手

 しかしこの快進撃は決してまぐれではない。昨年同チームのコーチに就任した佐藤妙子さんは言う。
「今年は3月末に岐阜県で合宿を行い、国体に出場した社会人軟式野球チームの指導を受けました。また4月からは月2回くらい軟式の女子強豪クラブ『オール兵庫』の練習に交ぜてもらっています。毎回10人ぐらいは行っているんじゃないでしょうか」
 それにしても数カ月で体育大学を破るほどの力をつけるとは。誰かすごい選手が入ったのでは?
「いえいえ、スター選手がいるわけではありません(笑)。でもみんな高校時代は色々なスポーツで活躍してきた選手たちなので能力はあったんです。でも自信がなかった。だから自信とスキルを身につけてほしくて新しいやり方を考えてみました。

 今大会は幸いにも得点差がついて全選手が出場できる試合があったので、みんなの気持ちが一つになりました。準決勝の東京女子体育大学との試合では先制したあと追いつかれそうになったのですが、逆転されずに踏んばれたのは、それが理由だと思います。
 試合のあとは全員が泣いていました。勝ったり負けたりで泣いたのは初めてだったのではないでしょうか。それだけのことをしてきたからこその涙だったと思います」
 見る人の心に爽やかな風を吹き込んだ準決勝進出劇だった。 

4位に入った園田学園女子大学の皆さん

※大会の結果はこちら → 魚津市実行委員会 

※写真提供/日本女子体育大学、園田学園女子大学
 


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