女子野球情報 

16年11月

第2回西日本女子硬式野球大会、大好評のうちに閉幕(2016年11月23日)

優勝した環太平洋大学A(右)と準優勝の京都両洋高校。福山市民球場にて

 昨年、第1回大会にもかかわらず、20球団23チームが参加した「西日本女子硬式野球大会」(MSH医療専門学校主催、広島県開催)。今年は昨年を上回る24球団27チームという、硬式のトーナメントとしては最大級の規模で、第2回大会が開催された(11月18~20日)。

 これほどまでに人気が出たのは、西日本にあまり大会がないこと、これまで西日本のチームが目標としてきた松山の全国大会が、昨年から出場資格を設け、誰でも参加できる大会ではなくなったこと、また「西日本を盛り上げよう」という指導者たちが、たくさんいたことが挙げられる。

環太平洋大学Avs京都両洋高校戦

 今年は新たに県立佐伯高校連合(広島県)や、岐阜第一高校、大阪BLESS、大体大波商高校、福井工大附属福井高校が参加。なかでも公立の星、佐伯高校が「人数は足りないけれど、この大会に出たい」といって助っ人を頼み、県立室戸高校(高知県)と並んで出場したのは、うれしいニュースだった。

 もともと「たくさん試合をしたい」という思いから生まれた大会だけに、敗者復活戦や交流戦が組まれているのも人気の秘密。その分、組み合わせを考えたMSH女子硬式野球部の野々村聡子監督は大変だった。
「3日間の会期のうち18日は平日なので、この日から参加できるチームを聞いて、まずそのチームだけで1日目の組み合わせを作り、負けたチームは敗者復活戦として、2日目から参加するチームのトーナメントに出られるようにしました」

公立の星の一つ、室戸高校。2年連続参加

 ミラクルは初日から起きた。まず神戸弘陵学園高校Bが大阪体育大学に7-4で勝利。京都両洋高校もMSH医療専門学校に、なんと13-1の3回コールドで勝利。

 2日目以降はあいにくの雨にたたられ、会場の変更や交流戦の中止などを余儀なくされたが、ここでもミラクルが続出。神戸弘陵学園高校Aがマドンナ松山を6-0で完封し、中学生主体のピュアエンジェル(大阪府など)が神村学園高等部に6-3で勝利。中学生だけで臨んだザ・スパ武雄レディース(佐賀県)も、プール学院大学(大阪府)戦をタイブレークに持ち込むなど(惜しくも5-2で敗退)、中高生たちの活躍に会場が沸いた。

 そんななか、準決勝に進出したのは環太平洋大学A(岡山県)と京都両洋高校、そして敗者復活で勝ち上がったMSH医療専門学校と大阪体育大学だ。いずれも今勢いのあるチームで、白熱した決勝戦が期待されたが、雨天のため決勝は行わず、それぞれの勝者を優勝とすることになった。

 見どころは環太平洋大学の大倉孝一監督の采配だ。女子野球日本代表チームの監督として、9月にW杯5連覇を成し遂げたばかりだが、実は来春から母校の駒澤大学男子硬式野球部の監督に就任することが決まっている。つまりこれが女子野球における最後の試合になるのだ。果たしてどんな戦いを見せてくれるのか…。

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京都両洋00103004
環太平洋A0000115

 始まった環太平洋vs両洋戦は、先発した両洋の兼城投手が大学生相手に健闘し、打たせてとるピッチングで4回まで無失点。両洋は打撃でも魅せ、3回、二番・安達の二塁打で先制すると、5回、2死満塁のチャンスに四番・高谷が走者一掃の三塁打を放ち、4-0とリードする。
 しかし疲れが見えた兼城を下げた5回裏1死から流れが変わった。雰囲気に飲まれたのか、制球が定まらない両洋の投手を見て、環太平洋が次々に四球を選んで出塁。ジリジリと追い上げ、最後は四球でためたランナーを両洋OG・田口の中前適時打などで返し、5-4でサヨナラ勝ちを収めた。大倉監督は最後の試合でも、持ち前の粘り強い野球を見せた。

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MSH00000000
大体大30010004

 もう一つの準決勝、MSHと大体大の試合は、初回の攻撃が明暗を分けた。MSHが大体大の山内投手の前に打者3人で攻撃を終えたのに対し、大体大は1死二塁から四番・芝野の中前安打と五番・達磨の左越二塁打で2点を奪取。続く六番・高野の打球は投手を強襲し、体に当たったボールを遊撃手が拾って一塁に投げるも、悪送球となり、達磨が生還して3点目を挙げた。

 その後は両チームとも毎回のようにランナーを出すものの、あと1本が出ず、4回に1点を加えた大体大が4-0で勝利した。

もう一つの優勝チーム、大阪体育大学。ツネイシスタジアムにて もう一つの準優勝チーム、MSH医療専門学校

 勝った環太平洋大学Aと大阪体育大学がともに優勝。負けた京都両洋高校とMSH医療専門学校が準優勝に輝いた。

「雨で色々変更が出ましたが、みなさん、グラウンドの水抜きなどにご協力くださって感謝しています。少しでも長く続けられるように、スポンサーを集めてがんばります」と野々村監督。
 来年はすでに11月17、18、19日で開催が決まっている。17日は金曜日なので、参加を希望するチームは早めに準備を。

↓ミラクルメーカーのピュアエンジェル(左)と、ザ・スパ武雄レディース(右)
説明 説明

今大会で女子野球の指導者を(いったん?)下りる
大倉孝一・環太平洋大学監督のコメント

「最後の大会ということで特に意識したことはありません。やっぱり僕のことより選手のことが一番なんで。まだ4年生がいない、できたばかりのチームなので、どの試合も一生懸命やっただけです。

 女子野球に関わった16年。ぼくがずっとやってきたのは、女子が思う存分野球をできる環境を作るということです。そのためにジャパン(日本代表)の活動や新チームの設立に努力してきました。みなさんのお力もあっていくつもの硬式の組織ができ、14年にはそれらを束ねる全国組織もできて、女子硬式野球の体制はほぼできました。人材も育ってきていると思います。
 でも僕は今がスタートラインだと思っているんです。これからもみんなで女子が思う存分野球ができる環境を作っていかなくてはいけないし、女子野球がスポーツ文化に定着できるようにしなくてはなりません。
 そのために僕は、これからも何かしらのかたちで女子野球に関わっていきますよ」
 気になる環太平洋大学の次期監督だが、まだ決まっていないとのことだった。

※トーナメント表 → 

※写真提供/MSH医療専門学校、京都両洋高校、ザ・スパ武雄レディース、ピュアエンジェル、室戸高校


Rソックス主催「女性のためのキャンプ」、参加者募集中(2016年11月16日)

 今年2月にコラムで紹介した、ボストン・レッドソックス主催の「女性のためのファンタジーキャンプ」が、来年1月にまた行われることになった。
 情報をお寄せくださった福澤秋后(ふくざわあきさ)さんは、アメリカ在住の、大のレッドソックスファン。今年のキャンプに参加し、来年も参加予定だが、このたびレッドソックスからジャパニーズ・リエゾン(橋渡し役)の命を受け、日本人女性のキャンプ参加者を募っている。12人以上集まれば日本人チームを編成して、少なくとも1試合は日本vsアメリカの試合ができるようにしたいとのこと。
 
 費用はかかるが、レッドソックスファンなら見逃せないイベント。参加したい方は下記のレッドソックスのサイトから申し込みを。日本人チーム編成の可能性を探るために、できればその前に福澤さんに「参加の旨を連絡してもらえると助かります」とのことだった。
 2017年のWBCに先駆けて、アメリカでメジャーの空気を吸ってみてはいかがだろうか。

画像の説明

■参加費/2,499米ドル。往復航空券はふくまれていないが、ホテル、食費、球場、ロッカールームツアー、レセプション、ユニフォーム代など、キャンプにかかる費用はすべてふくまれている。
■予定される指導者/トロット・ニクソン、ブッチ・ホブソンなど。
■連絡先/質問や不明点は福澤さんまで(aki@akisa.com)。最終的な申し込み先はレッドソックスになる。
■参考記事/コラム…レッドソックス「女性ファン感謝イベント」からの妄想


北海道の女子注目。苫小牧市で女子野球教室開催(2016年11月8日)

 スポーツで輝かしい成績を収めた人に送られる称号「スポーツマスター」。全国に先駆けてスポーツマスター制度を作った北海道苫小牧市では、現在5人のスポーツマスターが、市民のためにスポーツの普及振興に努めている。

 その一人、高澤秀昭氏(王子製紙苫小牧→ロッテオリオンズなど)が、11月27日、市のスポーツマスター事業の一環として女子野球教室を開くことになった。指導対象は女子軟式野球クラブの苫小牧ガイラルディアだが、チームでは女子野球の普及のために、ガイラルディア以外の選手も参加できるように市の許可をとった。

 現在、近隣の少年野球チームの女子選手約20人を招待しているが、まだ若干名なら受け付けるとのこと。元プロ野球選手の指導を受けたい人は、ガイラルディア事務局まで連絡を!

高澤秀昭氏の女子野球教室
主催/苫小牧市
日時/11月27日(日)、9~12時
場所/駒澤大学附属苫小牧高校トレーニングセンター
参加資格/小学生から大人まで。野球未経験者でもOK
内容/走塁、守備、打撃の練習など(当日変わる可能性があります)
備考/参加費無料。チームに所属している人は自チームのユニフォームで。所属していない人はジャージなど、動きやすい服装で。野球用具持参。ない方はガイラルディア事務局が貸与します
申し込み/tgladysbaseball@yahoo.co.jp(苫小牧ガイラルディア事務局)


元女子プロ選手・川保麻弥さんが、和歌山県で指導者に(2016年11月6日)

 女子プロ野球1期生で、8月に退団した川保麻弥さん(最後の役職は日本女子プロ野球機構チーフコーチ)が、和歌山県田辺市の女子硬式野球クラブ「和歌山ファインティングバーズNANA」の監督に就任することがわかった。

埼玉栄高校→日本体育大学の川保さん

 NANAは来年4月発足予定の県下初の女子硬式クラブで、中学生以上、社会人までを対象とする。

 設立準備は同じく来年4月発足予定の男子チーム「和歌山ファイティングバーズ」(独立リーグ「ベースボール・ファースト・リーグ」所属)の運営母体、NPO法人「ANFUTURE」が行っているが、設立後は男子チームとは別の、独立した女子クラブチームとして活動していくという。

 NANA設立に動いた県議会議員の谷口和樹さんは、その経緯を次のように語る。
「昨年10月、男子チームの設立準備で県の学童野球協議会の部長を訪ねたとき、『男子だけでなく、中学以降の女子の面倒もみてくれないか』と言われたことがきっかけです。

 和歌山県には女子野球部はもちろん、ソフトボール部もない中学が多いので、少年野球を終えた選手たちは他の競技に流れてしまいます。
 そこで今年の夏の女子高校生の全国大会に行って、女子高野連の堀事務局長の意見をうかがうなどして、女子チームの方向性を探りました。その結果、和歌山に女子硬式野球を定着させるには、高校野球部よりまずクラブチームだろうと思ったのです。

 チームの本拠地である田辺市とその近郊には、普通高校や工業高校など7つの県立高校があります。将来のことを考えたらそこでしっかり勉強して、週末はクラブチームで野球をやるのがいい。卒業後も、クラブチームなら仕事をしながら野球を続けることができるでしょう」

 その谷口さんと川保さんの縁がつながったのは、夏の全国大会だった。ちょうど選手をスカウトに来ていた川保さんが、堀事務局長から和歌山の話を聞いたのだ。

 そのとき川保さんに、昔、女子硬式クラブ「侍」や「新波」を立ち上げた時の熱い思いが蘇ってきたという。
「新しいチームの立ち上げに携わってみたい」
 そんな思いで谷口さんに連絡をとり、田辺市にも足を運んだ。
「その時、野球がやりたいのにチームがなくて、テニス部に入っているという中学2年生にお会いしたんです。本当にひたむきで、その目を見ているうちに、野球を続ける環境がなくて悩んでいた中学生の時の自分を思い出してしまって。その思いに応えなきゃと思ったのです」

なかへち総合グラウンド(中辺路多目的グラウンド)

 発足後は教員免許を生かした仕事に就きながら、NANAで硬式野球の指導にあたる。
「将来日の丸を背負える人材を育てたいですね。球速130km超えの投手を育てたいですし、ホームランバッターも育てたい。女子野球らしく明るく伸び伸びしたチームを作って、一致団結して活動していきたいです。
 個人的には、将来的に高校女子硬式野球部を作りたいという希望もあります」

 中高生は希望すれば誰でも入団することができる。高校は田辺市とその近郊の7校すべてに寮があるので、合格さえすれば寮生活を送りながら勉強と野球の両立が可能だという。
 高校卒業後(18歳以上)はトライアウトを経ての入団となる。
「プロや日本代表を目指す人の期待に応えられるように、1年とか2年とか契約期間を決めて、しっかり指導したいと思っています」

 練習は土日祝と平日の夜。主な使用グラウンドは「なかへち総合グラウンド」(田辺市)を予定している。

 19日に体験練習会が開かれるが、ファイティングバーズにはすでに問い合わせが多数寄せられているといい、地元の人々は川保さんの着任を楽しみにしているようだ。

和歌山ファイティングバーズNANA 体験練習会
日時/11月19日(土)、19時~20時半
場所/上富田スポーツセンター 屋内イベント広場(西牟婁郡上富田町朝来3871)
内容/軽いキャッチボールとノック
備考/野球のできる服装で。グラブ、スパイク、飲み物持参 

問い合わせ先/info@w-fightingbirds.com(和歌山ファイティングバーズ)
参考URL/http://www.w-fightingbirds.com/team.html(同上)

※和歌山県の女子野球の記録は → こちら(殿堂入りデータ


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