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17年3月

県軟連がバックアップ。和歌山県に軟式の中高生クラブ誕生(2017年3月24日)

中学生6人、高校生6人の計12人が初練習に臨んだ

 全国一のみかんの産地、和歌山県で、3月5日、軟式の女子中高生クラブ「和歌山Orange Glove(オレンジグローブ)」が初練習を行った。チームの拠点は一面のみかん畑が広がる有田市で、主にふるさとの川総合運動公園を使用する。

 監督を務める、市議会議員で女子学童チーム「ガールズ有田」(県軟連有田支部所属)監督でもある玉木久登さん(52歳)は、創部の経緯を次のように語る。
「昨年の10月に、県軟連の理事長から直々に、女子中学生クラブを作ってくれと頼まれたからです。和歌山県として、夏に行われている女子中学生の全国大会に出場したいということでした。また、せっかく育った学童選手たちのために、中学以降も軟式野球ができる場を作ってあげたいと思ったことも、理由の一つです」

軟式野球がやりたいと言って、遠方から参加する選手も多い

 このとき玉木監督の頭にあったのは、女子中学生の全国大会だけでなく、関西女子野球連盟が主催する「関西女子野球ジュニアリーグ」に出場すること。中高生が対象で、春季、秋季リーグがあるだけでなく、上位チームは全女連の中高生の全国大会にも出場できる。

「この大会があるなら高校生も野球ができる」と思った玉木さんは、対象を高校生まで広げて部員を募ったところ、ガールズ有田OGを中心とする中学生6人に加え、高校生が6人も集まった。野球を続ける環境がなくて他の競技に移ったものの、このチームができると聞いて入団してきた人もいるという。中には30㎞も離れた和歌山市やみなべ町から来ている選手もいるとか。

 指導は玉木監督に加え(ガールズ有田と兼任)、昨年まで社会人硬式野球チームでプレーしていた宮城憲ヘッドコーチ(25歳)や、28歳、30歳の、硬式野球経験者の男性たちがあたる。マネージャーはガールズ有田OGの新大学生、山崎さん。フレッシュな顔ぶれの陣容だ。

玉木監督(中央)と宮城憲ヘッドコーチ(左)、宮井健太打撃コーチ(右)

 練習は今のところ毎週日曜日の10~16時に行っている。チームには女子プロ野球選手を目指している人もおり、上を目指す選手には個別指導も行うという。
 
 和歌山県では今年2月、一足先に女子硬式野球クラブ「和歌山ファイティングバーズNANA」が発足して、女子硬式野球の環境ができたが、「和歌山Orange Glove」ができたことで、中学以上の女子軟式野球環境も整った。

「軟式も硬式も、お互いにその存在を認め合って和歌山の女子野球を発展させていければいいと思います。そして軟式野球をやりたい人は、ぜひ私たちと一緒にやりましょう」(玉木監督)

 女子中学生の全国大会に出るには、まだ少し人数が足りない。我こそはと思う人は、一度練習見学に行ってみてはいかがだろうか。

●問い合わせ先/090-3616-4864(玉木久登監督)

主にふるさとの川総合運動公園(有田市)で練習する     名前どおり、オレンジ色のユニフォーム 

※写真提供/和歌山Orange Glove


千葉県で「第1回女子軟式野球選手の運動能力調査」を実施(2017年3月8日)

測定をする選手と、千葉マリンスターズヤングの飯沼樹里監督。

 当サイトの管理人が責任者となり、全国の協力者の力を借りて実施する「女子軟式野球選手の運動能力調査」の第1回測定会が、3月4日(土)、千葉県船橋市で行われた。(調査の詳細はフロントページのバナーをクリックしてご覧ください)。

 協力してくださったのは、全国大会優勝多数の強豪クラブ「千葉マリンスターズ」と、ジュニア(中学生)クラブの「千葉マリンスターズヤング」の皆さんだ(20代と30代の社会人4人、高校生4人、中学生13人の、計21人)。

大人のチームも中学生チームも、全国大会優勝多数。

 土曜日とあって社会人の参加は少なかったが、朝7時には全員がそろってアップを開始。

 かたわらではコーチや保護者の皆さんが、遠投や50m走のラインかきなどを行い、その後、測定スタッフの役割分担や仕事内容の確認をして、8時15分に測定がスタートした。

 種目は50m走、ベースランニング(27.4m)、球速(終速、18.4m)、スイングスピード(690gの金属バット)、遠投の5種目だ。

 測定は21人を2つのグループに分け、グループ単位でまず50m走とスイングスピードを交互に測定。その後、球速とベースランニングを交互に測り、最後は全員で遠投を行った。

距離を測る保護者。 設営は3人で行い、1時間弱で終了。

 それぞれのグループにはリーダー(この日はお母さんたち)がつき、引率と記録を担当。測定がスムーズに進むように、記録用紙の順番どおりに選手を並ばせたり、間違って他の人の記録を記入しないように選手の名前を確認するなど、地味でも重要な仕事をしてくれた。

 測定スタッフはコーチやお父さんたちが務めたが、事前に配ってあったマニュアルをしっかり頭に入れて臨んでくださったため、大きなトラブルもなく、測定はきびきびとした雰囲気のなか、約1時間半で終了した。

スイングスピードの測定。690グラムの金属バット(ミズノ製)を使用。

 第1回測定会を終わって実感したのは、遠投には練習が必要だということだ。本測定は爪先からではなくラインから測るため、フライングを怖れるあまり、1メートルぐらい手前から投げてしまう選手が続出したのだ。また投げる角度なども重要で、ベストな投球をするためには、それなりの練習が必要だろう。今後測定会に参加する人は、ぜひ事前に練習してから臨んでほしい。

 逆に言えば女子選手は測定をする機会自体が少なく、その経験不足も、女子野球選手の実態の一つといっていいだろう。それでも高校生が72m近い記録を出し、チームのレベルの高さを感じさせた。

 その記録だが、4月に第1回「年齢別(中学生、高校生、大学生、社会人の4つのカテゴリー)、種目別ベスト3」を発表予定なので、楽しみにしてほしい。今回、すでにトップに立ちそうな素晴らしい記録が生まれているが、先行研究がない分、それが果たしてどのくらいのレベルにあるのかわからない。しかし今後測定会を重ねるごとに、選手たちの実力に驚くことになる予感がする。

 ただし念のために書き添えると、この研究の目的は複数の角度から現在の女子軟式野球選手の運動能力の実態を明らかにすることなので、最大値だけでなく、最小値や平均値などもしっかり調査していく。

 今後8月を除く9月まで、全国各地で測定会を行う予定だが、すべての地域、チームの測定はできないことをお許しいただきたい。

リーダー(記録係)はお母さんたちが担当。 球速の測定。機械はSSKのマルチスピードテスターⅡ。


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