17年6月
日本縦断・新中(高)生チーム(軟式)情報!(2017年6月26日)
全軟連の女子中学生の全国大会(全日本女子中学軟式野球大会)をきっかけに、創部が相次いでいる中学女子軟式野球界。主にNPBガールズトーナメント(小学生の全国大会)に出場した県でその動きが顕著だが、昨年は準備不足で立ち上げを見送った県からも創部の連絡が届いている。さらに県下で2つ目、3つ目というチームも。
選抜チーム(短期活動)、クラブチーム(通年活動)に加え、創部の準備中というチームまで、全12チームの情報をお届けする。
北海道
昨年は3年生主体のオホーツクシャイングガールズ(第1回ガールズトーナメントに出場したオホーツクブルーエンジェルスOG中心)と、1年生主体の札幌シェールズジュニア(第3回ガールズトーナメントに出場した札幌ダイヤモンドガールズOG中心)が誕生したが、昨年から今年にかけて、新たに3チームが活動を始めている。
北海道の学童チームは13年以降、道軟連の支部代表チーム(4つ)と、北海道チャンピオンシップ少年野球協会が全道から選手を集めて編成するチーム(北海道スノーホワイト)の2つの系統が活動しているが、そのOGたちが中学チームの核になっている。
■釧路アクアシャインズ 昨年8月から活動開始。第2回ガールズトーナメントに出場した釧路アクアガールズOGが中心で、学童チームの監督・工藤航さんが監督を兼務している。練習も小中合同で行うことが多いとか。昨秋は道内の女子大会「羊が丘病院杯大会」に出場。エースだった亀田織音(しおん)は、今年創部された札幌新陽高校女子硬式野球部に入部した。
■DJ(ディージェイ)札幌ブレイク 一般女子軟式クラブ「札幌ブレイク」の中学生と、旭川の二つ喜(ふたつき)野球塾に通う中学生の合同チームだ。札幌ブレイクのメンバーのなかにはガールズトーナメント出場者や、北海道スノーホワイトの選手として岡山の学童大会に参加した選手もいる。女子中学生クラブとして月1回程度練習。
■レ・リアン札幌 6月末の全軟連の全国大会・北海道予選に参加するべく、一般女子軟式クラブ「JBC札幌女子部」と「札幌プログレス」が合同で作った中学生チーム。選手の多くは帯広、岩見沢、登別、稚内近郊などから札幌まで練習に通ってきており、北海道スノーホワイトのメンバーだった選手も多い。北海道予選後の活動は未定だそうだ。
東京都
12年から学童の、15年から中学生の都大会が整備されるなど、日本一女子野球への理解が進んでいる土地だけに、今年、中学生チームは3つ増えて約15になった。チームを作れと各支部にハッパをかけているのが都軟連とあって、どのチームも何かしらの形で地域の野球連盟とつながっているのが心強い。
東京都のチームは中体連が選抜チームを作らないため、すべて通年活動するクラブチームなのが特徴。野球部と兼部する選手も少ない。6月の都大会以外に、春と秋、全女連が主催する中高生の関東大会があるのも、創部を後押ししている。
■立川ホーネッツ 今年の2月頃から活動を開始。昨年、関東の学童大会「シスタージャビットカップ」で優勝した「レディース立川」の子どもたち(現中1生)が中心だが、立川より西の地域の選手もいる。創部は学童チームの指導者たちが「せっかく育った選手たちに、中学でも野球ができる環境を」といって動いた。
■練馬シャイン 区内に2つある学童チームの保護者たちの「練馬区にも女子中学生チームを」という熱意が、練馬区軟式野球連盟を動かした。今年4月に創部し、約15名が練習に励んでいる。チーム名のシャインは、練馬区の伝説に登場する石神井(しゃくじい)城の「照姫」に由来する。立ち上げに際しては連盟会長、理事長、中学部部長が協力。
■ナインエンジェル 江戸川区の中学軟式クラブ「ジュニアナインズ」に今年できた女子部で、1年生ばかり9人が活動。江戸川区には学童チームが3つあり、その選抜チームである「江戸川エンジェルズ」は、ガールズトーナメントに2回も出場した強豪中の強豪。しかし今まで中学生チームがなかったために、野球がやりたい選手は区外に出るしかなく、それを惜しんだ学童少年野球連盟の関係者が、ジュニアナインズに創部を依頼した。
富山県
■オール富山Tガールズ 第3回ガールズトーナメントで優勝した「アルペンガールズ富山」の選手たちは、今中学2年生。昨年は全軟連の全国大会出場を見送った県軟連も、今年はエントリーを決め、中体連に協力を要請した。そのため、監督、コーチは中学校の先生方が務め、県下の女子野球部員18人中16人が参加する。富山県の中高生クラブ「ビーンズ」の選手も、野球部と兼部している人は出場する。ガールズトーナメント当時の主戦、高杉結芽選手も在籍。ただし全国大会が終われば解散予定だ。
和歌山県
■和歌山Orange Glove(オレンジグローブ) 今年3月に創部。県軟連有田支部所属の学童チーム「ガールズ有田」の玉木久登監督が、県軟連の理事長から直々に創部を依頼されて立ち上げた。中高生チームとして活動し、高校生にも門戸を開いているのが特徴。全軟連の全国大会だけでなく、関西女子野球ジュニアリーグ(中高生大会)にも参加予定。詳しくは「情報広場」へ。
山口県
■山口ガールズ 17年には4つ目の学童チームが誕生するなど、確実に女子野球の機運が高まっている山口県。それだけに野球を続けたい中学生は多く、その思いを受け止めた市議会議員の部谷翔大さんが設立に動いた。競合するチームがないために、全軟連の全国大会に出場することはほぼ確実で、7月から週2、3回、夜間練習を行っていく。中学野球部やソフトボール部などと兼部する選手が多いが、調整しながら各種女子大会への参加も目指すという。
島根県
■島根県選抜(仮称) 昨年、全軟連の全国大会にエントリーしようとするも、すでに参加希望が予想を上回っているという理由で出場を断られた島根県。目標を失ってチーム結成は流れてしまったが、その時の指導者が、今年こそはと創部に向けて動いている。選手の多くが中学野球部などと兼部しているため、スケジュールの関係で創部は8月になる見込み。残念ながら今年も全軟連の全国大会には出場できないが、秋以降、各種女子大会への参加を予定している。
宮崎県
■宮崎ガールズ 県内3つ目の中学生チームとして6月に誕生(名称は学童チームと同じ)。第2回ガールズトーナメントに「宮崎ガールズ」の保護者として参加した丸山剛史さんが代表を務める。県軟連公認チームで、現在、選手数は13人。指導は南九州短期大学女子硬式野球部の堀越美紀監督(元女子プロ野球選手)が務め、練習は同大学の室内練習場で行っている。8月の九州大会に出場後は、来年の九州大会まで活動休止予定。全軟連の全国大会には当面出場する予定はないとか。
沖縄県
■沖縄オーシャンズ ガールズトーナメントに出場した選手も在籍する中高生チームで、全日本女子軟式野球連盟沖縄支部に加盟して、県下の女子大会に出場している。全軟連の全国大会には、例年、県全域から選手を集めた選抜チームが出場しているため、オーシャンズが出場できるかは未定だが、沖縄女子野球界を盛り上げる若い力として期待が集まっている。
やっぱり気になる!
今年は参加? 昨年全軟連の全国大会に出場しなかった県
昨年の第1回全日本女子中学軟式野球大会に出場できなかった11の県は、今年は出場するのか、問い合わせてみた。
秋田県 不参加。中高生クラブ「秋田エスポワールガールズSUN」が活動しているが、野球部と兼部している選手が多いことなどから、今年も参加を見合わせることに。県軟連が選抜チームを編成する予定もない。
山形県 不参加。県軟連主導で第1回ガールズトーナメントから出場し、昨年は第1回中学生の全国大会にも意欲を見せたが、中体連など、関係各所との調整がつかず断念。今年も同じ理由でチーム編成&参加を断念した。
富山県 参加。上記参照。
和歌山県 参加。上記参照。
広島県 中学生クラブ「広島レディース」が参加を見送ったため、不参加。県軟連が選抜チームを編成する予定もない。
山口県 参加。上記参照。
鳥取県 不参加。昨年12月に行われた山陰初の女子学童大会で優勝した県だけに、選手や保護者の間で中学生チーム結成の意欲は高い。現段階でチーム結成を前提に、1年生ばかり十数名集まって時々練習をしているが、創部までにはもう少し時間がかかりそうだ。
島根県 不参加。上記参照。
香川県 中学生クラブ「香川オリーブガールズJHC」が出場予定。残念ながら小学生の「香川オリーブガールズ」はガールズトーナメントに不参加。
宮崎県 不参加。現段階で県内の3チームとも参加する予定はない。上記参照。
鹿児島県 参加。セレクションをして編成した「鹿児島県選抜」が出場。同チームは12年から九州大会に出場している。
→ 11県中5県が参加予定。
来春、コンピューターの専門学校に女子硬式野球部誕生(2017年6月14日)
折尾愛真短期大学に続き、福岡県の専門学校「コンピュータ教育学院」(福岡市)にも、来春、女子硬式野球部ができることが明らかになった。
同校は硬式と軟式の男子野球部をもち、硬式野球部からはプロ野球選手も出ている学校で、女子硬式野球部は、創立50周年記念事業として創部することにしたという。

その学院が監督として白羽の矢を立てたのは、女子野球日本代表経験豊富な古賀市出身の捕手、西朝美さん(29歳、神村学園高等部→尚美学園大学)だ。西さんの兄が同校に通っていた関係で、以前からその活躍を知っていたのだという。
一方西さんは、昨秋、自身が立ち上げた東京の一般クラブ「AFB-TTR」を解散。福岡に帰って指導者になりたいと思っていたため、この依頼を快諾。学院に職員として入職することになった。
「選手は監督を見て育つので、人に優しく、誰にでも公平に接することを心がけます。母校である尚美大学の新谷監督のように、場面場面でこの選手を一番生かせる方法は何なのか、考えながら采配したいと思います」(西さん)
学院は現在女子専用グラウンドを探しているが、寮は西さんのアドバイスに従って作らない方針だ。
「学生なので身の回りのことは自分でやったほうがいいと思うからです。そして野球漬けではなく、午前中は勉強、午後は練習、夜はアルバイトというふうに、メリハリのある生活を送ってほしい」(同)
細かいことはこれから決めていくというが、夏休みには練習会を予定しているそうなので、興味のある人は問い合わせてほしい。
●コンピュータ教育学院ホームページ/http://www.ckg.ac.jp/
折尾愛真短期大学が女子硬式野球部創部へ(2017年6月14日)
来年4月、福岡県の折尾愛真(おりおあいしん)短期大学(北九州市)に、女子硬式野球部が誕生する。
増えてきたとはいえ、高校卒業後も硬式野球ができる学校は、全国に大学&短大が8つ、専門学校が2つしかないので、福岡県だけでなく、女子硬式野球界全体にとっても朗報だ。

同校は高校女子硬式野球部をもつ折尾愛真高校の系列校である。
「15年に高校女子硬式野球部を作るときから、体験に来た選手たちに『短大にも女子硬式野球部を作る予定です』とお話ししていました。その約束どおり、1期生が卒業するのに合わせて創部することにしました」(磯部貴一郎・高校女子硬式野球部監督、45歳)
短大の監督には磯部監督がスライドし、高校には新しい監督が就任する予定だ。1期生にとっては心強い人事である。実際に1期生16人のうち、かなり多くの選手が短大に進学する意思を示しているといい、磯部監督は「高校で学んだことを応用させて、さらなるレベルアップをはかりたい」と意気込む。また同時に、「卒業すれば社会人ですから、アルバイトなどを通して社会勉強させ、今まで自分がどれだけ保護者に支えられてきたかに気づかせたい」と親心ものぞかせる。
折尾愛真短大はこれまで経済学に特化した3つのコースを設けていたが、来年からスポーツマネジメントコースを新設して、スポーツに打ち込める環境を整える予定だ。もちろん、他のコースに入学しても女子硬式野球部に入ることができる。
練習は高校と同じ女子専用グラウンドを使用し、希望すれば学校が借り上げているマンションやアパートに入ることができる。
高校大学と硬式野球が続けられる学校は数少ないため、選手にとっては貴重な選択肢となりそうだ。
オープンキャンパスのときは、女子硬式野球部の説明ブースが設けられるので、訪ねてみてはいかがだろうか。
●オープンキャンパス/7月15日(土)、8月21日(月)
●問い合わせ先/093-602-2100(折尾愛真学園法人本部 担当・磯部監督)
●折尾愛真短期大学ホームページ/http://www.orioaishin.ac.jp/tandai/
※写真提供/折尾愛真短期大学
淡路島の私立高校が、来春、女子硬式野球部を創部(2017年6月13 日)
毎年新チームが誕生している高校女子硬式野球界に、来春、27番目の野球部ができることになった。創部するのは兵庫県淡路市洲本にある柳学園高等学校(来春「蒼開高等学校」に校名変更)だ。
同校は校名変更と同時にカリキュラムの変更も行い、現行の「中高一貫の進学部」と「高校普通科」を廃止し、新たに「中学生の3カ年コース」「中高一貫の6カ年コース」、高校の「スーパー特進コース」「グローバル進学コース」「アスリート進学コース」の5つのコースを設けるという。
硬式野球をやりたい女子選手はアスリート進学コース(定員40人)に入学することになり、男女サッカー選手、男女柔道選手とともに日々の授業の中で基礎体力を養い、体育全般の勉強もして、放課後に硬式野球の練習をする。初年度は10名強の入学を見込んでいるという。
残念ながら他のコースの生徒や中学生たちが一緒に練習することはできないそうで、あくまでもアスリート進学コースの高校生たちが「強化クラブ」として活動していく。
同校には敷地内に2つのグラウンドがあるが、第1グラウンドは男子野球部とサッカー部が使っているため、第2グラウンドや公共のグラウンドを使って練習予定だ。県外の選手も受け入れるので、民間と協力して女子寮も調えるという。
気になる監督以下の指導者は、現在人選中だそうだ。
8月28日には、女子プロ野球「兵庫ディオーネ」の協力の下、野球の体験教室を開く予定だ。
●問い合わせ先/0799-22-2552(柳学園高等学校 阪口寛明校長)
●柳学園高等学校(蒼開高等学校)ホームページ/http://www.yanagi-h.ed.jp/
柳学園に創部を打診した日本女子プロ野球機構
柳学園に女子硬式野球部の創部を打診したのは、実は日本女子プロ野球機構である。機構は「女子野球の普及と発展のために、各都道府県に女子硬式野球部を」という理念の下、複数の学校に創部を打診しているのだという。
学校側は時間をかけて検討し、16年に岐阜第一高校が共学化のタイミングで、今回は柳学園が学校改革のタイミングで創部を決めた。
こうした経緯があるため、蒼開高校に女子硬式野球部ができた暁には、淡路島を拠点とする「兵庫ディオーネ」が協力を約束しているのである。具体的な内容は未定だが、「シーズン中もそうでないときも、時間を作って指導にうかがえると思います」と機構は言う。
岐阜第一高校のように、元女子プロ野球選手が監督になるかは学校側の判断になり、これについては現段階では明らかになっていない。
※資料提供/柳学園高等学校
東京都の女子高に全国6つ目の軟式野球部誕生(2017年6月7日)
東京都西東京市の文華女子高校に、4月、軟式野球部が誕生した。

高校女子軟式野球部は早稲田実業学校高等部(東京都)、愛知高校(愛知県)、中京大中京高校(愛知県)、百合学院高校(兵庫県)、八代白百合学園高校(熊本県)の5つがあり、同校は6つ目の高校軟式野球部となる。
学校に創部を促したのは掛谷綾香(かけやあやか)教諭(28歳。広島県福山市出身)。子どものころ地元に野球をする環境がなく、関東の大学に進学後、どうしても野球がやりたくて男子草野球サークルに入ったが、もっとしっかり野球がしたくて女子軟式野球クラブ「ライジング」に入ったという経歴の持ち主だ。
「高校で軟式野球をやりたい選手は多いはず。また、自分が学んだスポーツを教えたい」という掛谷先生の熱意は、「他校にない部活動を作りたい」という学校の方針と合致。とんとん拍子に話が進み、創部の運びとなった。
とはいえ決まったのが昨年の秋だったため、周辺の中学野球クラブへの周知が遅れ、現在3年生が4~5人、週2回活動している。
グラウンドはハンドボール部と曜日調整しながら使っているが、少々狭くて外野がとれないため、公共のグラウンドも使って練習するという。人数がそろえば関東女子軟式野球連盟に登録し、各種大会に出場予定だ。
部活動で軟式野球をやりたい人は、一度見学へ!
●オープンスクール/7月17日(土)(サマーフェスティバル)、8月6日(日)、
8月27日(日)(野球体験会あり)
●問い合わせ先/042-463-2664(文華女子高校。担当・掛谷先生)
●文華女子高校ホームページ/http://www.bunkagakuen.ac.jp/
※写真提供/文華女子高校
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