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14年11月

熊本の八代白百合学園高校に軟式野球部誕生!(2014年11月21日)

 次々と誕生する高校の女子野球部。そのほとんどが硬式野球部だが、来年春、軟式野球部が熊本県に誕生することになった。作るのは八代白百合学園高校(女子校)で、東京の白百合女子大学など、全国に幼稚園から大学までをもつ学校法人白百合学園が運営するミッションスクールだ。

09年に誕生した愛好会。初心者から経験者までがプレーする

 実は同校には生徒からの要望で09年に誕生した軟式野球愛好会があり、黒木祥人教諭(43歳)が監督に就任して熱心に指導。愛好会であるにもかかわらず東京で行われている中高生の全国大会に参加した実績もある。

 ではなぜ今回、愛好会から部に昇格することになったのか。
 理由の一つは、同校に野球ができる環境があると知って毎年何人もの選手や保護者が学校見学やチーム見学に訪れるからだという。しかし愛好会では今一つ魅力に欠けるということで最終的に入学に至らないケースが多く、それならばしっかりした体制で活動できる部にして、選手たちに活躍の場を提供しようということになったのである。

 もう一つは熊本で活発に活動する小中学生チーム「暴れん坊ガールズ」の指導者が、「愛好会ではなく野球部だったら入りたいという選手がたくさんいるし、活動実績もあるのだから、ぜひ部にしてほしい」と数年前から黒木教諭を口説き、学校を口説いたからだという。

11年に鹿児島本線や九州新幹線「新八代駅」のすぐ目の前に移転

 黒木教諭は言う。
「野球が大好きでも、硬式野球部で野球漬けの生活を送るのはイヤだという子がいっぱいいます。また可能性をたくさん秘めた多感な高校時代に、様々な経験を積み、広い視野を養うことはとても大切です。
 そのため創部にあたり私たちが目指しているのは、野球はしっかりやるけれども、それ以外の学校行事や勉強などもきちんとやって、バランスのとれた豊かな学校生活を送っていただくことです」

 一学年の定員が160人と小ぢんまりとしていることもあり、生徒一人ひとりに目が届き、学習指導や進路指導もしっかり行うという。一定の学力を満たし意欲のある生徒は白百合女子大学やカトリック系の大学に指定校推薦で入学することもできる。

 現在練習は平日3~4日、16~18時半まで(冬季)行っており、土日もしばしば練習や試合が入るという。その活動時間はとても愛好会とは思えないレベルで、黒木教諭の熱意がうかがわれる。
 

チームの熱心なサポーターである野球経験者の保護者たちと試合をすることも。学校のグラウンドにて

 校舎の目の前にあるグラウンドは他に共用する部活がないため、野球愛好会が使い放題だといい、この環境は部になっても変わらない。
 同校には寮もあるため、全国どこの選手でも受け入れが可能だ。現在、近くは宮崎県から、遠くは群馬県など関東から来た生徒が利用しているという。

 気になる試合は、通常は地元の中学野球部などと行い、女子の大会としては先の中高生の全国大会や、関西で年2回行われている交流大会に参加したいという。

 部に昇格すると聞いて大喜びの愛好会の選手たち。
「八代白百合が他の姉妹校と比較されるとき、よく言われるのが『笑顔の八代白百合』です。本当にみんな素直で笑顔が溢れています。私たちと一緒に、野球のある充実した高校生活を送りませんか」(黒木教諭)

●問い合わせ先/0965-32-2354(八代白百合学園高校、担当・黒木)
●参考URL/八代白百合学園高校軟式野球愛好会。活動を記録した写真がいっぱい!
●備考/入学説明会は終了したが、問い合わせは随時可能。また希望があればどこへでも説明に出向くという。

※写真提供/八代白百合学園高校


今年も開催! 硬式クラブ「侍」の野球イベント(2014年11月17日)

 2002年に埼玉栄高校OGが中心となって創部した女子硬式野球クラブ「侍」。12年に大友政晴監督から矢尾倫紀監督に代わっても、ずっと続けているのが女子野球の普及活動だ。新潟県など様々な所に手弁当で赴いて野球教室やエキシビションマッチを行うだけでなく、昨年初めて子どものための硬式野球のイベントも開催した。

説明

 そのイベントが好評につき、今年も開催決定! 今年の特徴は参加者を「小学4年生以下の男女」と「5年生以上の女子」の2つに分け、開催日も2日に分けたことだ。
「まだ幼い4年生以下の子どもたちには軟球を使って野球を楽しんでもらい、5年生以上の女の子たちには硬球に親しんでもらって、硬式野球に進むきっかけにしてほしいと思っています」
 と矢尾監督。

 5年生以上の部では昨年同様トン汁が振舞われるので、おにぎりなどを持参するといいだろう。

●侍ベースボールフェスタ2014

■サムフェス for KIDS
日時/12月7日(日) 9~12時(受付開始8時半)
場所/富士見第二運動公園野球場(埼玉県富士見市)
対象/小学4年生以下の男女
参加費/無料
備考/軟球使用。未経験者可。動きやすい服装で。グラブ持参

■サムフェス for GIRLS
日時/12月14日(日) 10~15時(受付開始9時半)
場所/県立富士見高校グラウンド(埼玉県富士見市)
対象/小学5年生以上の女子
参加費/500円
備考/硬球使用。未経験者可。動きやすい服装で。グラブ持参

申込先(どちらも)/samurai.girls.baseball.hp@gmail.com
          氏名、年齢、活動地域、活動チーム、連絡先(メールアドレス)を明記。


千葉マリンスターズ、日体大を破って4回目の軟式女王に(2014年11月14日)

 クラブチャンピオンと大学チャンピオンが日本一をかけて戦う「ジャパンカップ(女子軟式野球王座決定戦)」が11月8日(土)行われ、千葉マリンスターズが日本体育大学を3-0で破って4回目の軟式女王のタイトルを手にした。

4回目の日本一!

 ジャパンカップは今年で20年目を迎えるため、記念大会として盛大に開催される予定だったが、雨で延期になり、王座決定戦のみのシンプルな内容になった。

 千葉マリンスターズvs日本体育大学というカードは11年のジャパンカップ以来。このときは現在女子プロ野球「ディオーネ」に在籍する橋本ひかり選手や「アストライア」の山崎舞選手を擁した日体大が2-1で競り勝っているだけに、千葉マリンにとっては負けられない試合だ。

 日体大は橋本美喜投手(4年、横浜隼人高 )が先発。11年のジャパンカップでは1年生ながら二番手投手として登板し、落ち着いたマウンドさばきで無死満塁のピンチを切り抜けている。対する千葉マリンの先発は成田夕陽投手(村田女子高)。一昨年の春高校を卒業し、中学時代にプレーした千葉マリンにもどって活躍している。

 試合は2回に動いた。

1234567
日体大00000000
千葉マリン030000×3

 千葉マリンが八番・千巣砂智子の内野安打と四球、盗塁などで2死二、三塁のチャンスを作ると、一番・成田が期待に応えて走者一掃の右前適時打。千葉マリンはさらに二番・森高真代の左前安打で2死一、二塁とすると、三番・小滝舞の適時二塁打で成田が返り、この回3点を奪う。

 しかし日体大の橋本も踏んばり、続く3回、4回は打者3人に抑える力投。5回は横山さくら(4年、荏田高)、6回は来期プロ入りが決まっている谷山莉奈(4年、春日部女子高)が登板し、追加点を許さない。一方、千葉マリンの成田もストレートとスライダーを巧みに織り交ぜ、6回を投げて被安打1、4奪三振の好投。最終回はエース・植村朋子がきっちり抑えて試合終了。

千葉マリンスターズの成田投手

 MVPは千葉マリンの成田夕陽選手が手にした。

 千葉マリンは上位から下位まで足の速い選手がそろい、一度塁に出ると積極的に走ってかき回してくる。2回はその機動力を生かして日体大の集中力を乱し、
「甘く入った球をうまく連打することができました」
 と飯沼保監督は振り返った。

 さてせっかくの20回記念大会。下記にこれまでのジャパンカップの歴代優勝チームを紹介しておこう。

ジャパンカップ歴代優勝チーム

優勝スコア対戦相手
1995年オール兵庫4-0金沢学院大学
1996年オール兵庫7-1金沢学院大学
1997年オール兵庫4-1金沢学院大学
1998年オール兵庫4-0金沢学院大学
1999年アドバンス5-0日本体育大学
2000年愛知アドバンス3-1日本体育大学
2001年愛知アドバンス1-0金沢学院大学・同短期大学
2002年愛知アドバンス2-1日本体育大学
2003年日本体育大学2-1オール兵庫
102004年東京ウイングス1-0日本体育大学
112005年日本体育大学1-0愛知アドバンス
122006年愛知アドバンス12-3日本体育大学
132007年日本体育大学2-1(延長14回)オール兵庫
142008年千葉マリンスターズ7-3日本体育大学
152009年愛知アドバンス1-0東京女子体育大学
162010年千葉マリンスターズ7-5日本体育大学
172011年日本体育大学2-1千葉マリンスターズ 
182012年千葉マリンスターズ1-0日本女子体育大学
192013年日本体育大学3-0オール兵庫
202014年千葉マリンスターズ3-0日本体育大学

世代交代がうまくいっている千葉マリンスターズ

※写真提供/千葉マリンスターズ


釧路と札幌の学童チームが交流戦。来年の全国大会に向け真剣勝負(2014年11月8日)

釧路と札幌の皆さん

 11月2~3日、岩見沢市の全天候型屋内体育施設「土里夢」などで、今年のNPBガールズトーナメント(全国大会)北海道代表の「釧路アクアガールズ」と、札幌支部選抜の交流戦が行われた。

 発起人はアクアガールズを作った道軟連釧路支部学童部。「チームの活動をこのまま終わらせるのはもったいない。他の地域と交流戦をしたいが、札幌にならチームがあるのではないか」と見当をつけ、北海道女子軟式野球連盟に問い合わせ、札幌の指導者を紹介してもらったという。目的は来年の全国大会をにらんだ5年生以下のレベルアップと、6年生の思い出作りの2つだ。

 女子学童選手がたくさんいる北海道だが、今まで女子同士の試合はほとんど行われてこなかったので、ようやく新たな時代が到来したといえる。札幌チームの始動と地域間交流という視点からこの交流戦を紹介したい。

土里夢の中で行われた開会式。人工芝に砂をまいたグラウンド

 少々前置きが長くなるが、まず北海道女子学童野球の現状から。
 昨年、NPBガールズトーナメントができるにあたり、道軟連は各支部に呼びかけて道予選を行うつもりだったが、大会繁忙期とあって参加できる支部がなかったため、オホーツク海にほど近い遠軽町に白羽の矢を立てた。同町は05年ごろから女子選抜を作って年1回男子と試合をし、12年には旭川支部の女子選抜と交流試合を実施。その実績が評価されたのだ。

 そして遠軽町と紋別市の選手を集めて誕生したのが昨年の全国大会出場チーム「オホーツクブルーエンジェルス」だ。チームは全国大会後も練習を続け、遠方の選手も加えてチームを強化し、「北海道スノーホワイト」という名前で12月に行われた「岡山大会」に出場している。
 今年の道予選からは北見市に活動拠点を移して規模を拡大し、北見市や網走市などをふくめたオホーツク全域から選手を集めるようになった。

 しかし今年全国大会に出場したのは「釧路アクアガールズ」(釧路市)だった。全国大会があると知ってこの春チームを作り、道予選でオホーツクブルーエンジェルスに逆転勝利して出場を決めたのだ。

北海道の女子学童チーム

 一方その様子をうらやましく思いながら見ていたのが札幌市東区の少年野球チーム「栄北ナインスターズ」の皆さんだ。札幌市では09年に女子学童選抜が結成されて男子と試合をしたことがあるが、その後チームが作られたことはなかった。そのためナインスターズの皆さんが8月から札幌支部の牧由理事長と話し合い、ナインスターズの皆さんが選手を集め、それを支部が札幌支部選抜として認定し、道予選に推薦する、ということになった。

 そして来年の全国大会を見越して選手を集め始めたところ、タイミング良く釧路支部から連絡があったというわけだ。

 2日に行われた開会式では、保護者をふくむ約70人を前に北海道女子軟式野球連盟の石川加奈子副理事長、一般女子軟式クラブ「札幌シェールズ」の竹中揚子監督も挨拶に立った。同連盟は毎年夏に札幌の小年生を対象とした「ガールズベースボールフェスティバル」を開催しているため、札幌の少年野球チームの指導者たちにとって馴染みのある組織なのだという。

 試合の結果は、
1日目 札幌6年生vs釧路アクアガールズ → 8-3で札幌勝利
    札幌5年生以下vs釧路5年生以下 → 18-10で札幌勝利
2日目 札幌6年生vs釧路アクアガールズ → 1-5で釧路勝利
    札幌5年生以下vs釧路5年生以下 → 5-4で札幌勝利

1日目は土里夢で試合。青いユニフォームが釧路

 札幌の山崎薫監督は、
「子どもたちみんな、楽しかったと言っていました。お互いに電話番号やアドレスを交換していたので、そこから女の子のネットワークができて、それが将来の環境作りにつながってくれたらうれしいですね。もちろん来年は道予選で優勝して全国大会に出たいです」

 釧路の工藤航監督は、
「道予選でオホーツクブルーエンジェルスに勝って子どもたちの目の色が変わり、全国大会に出て視野も広がりました。でも今回札幌の皆さんと試合をして、いい意味で尻に火がつきました。もっと練習しないと来年勝てないぞって(笑)」

 地域間交流については、
「釧路は高速道路が通っていないので、地理的に他の地域と交流するのが難しいんです。今回も一大決心をして遠征しましたが、片道5時間かかりました。でもいい経験をさせていただいたので、これからも札幌の皆さんと交流したいです」
 と工藤監督は言う。

2日目は札幌のモエレ沼公園野球場で。最高気温7.4度という寒さのため、時間を短縮して試合が行われた

 面積が広い分、気軽に集まったり試合をすることができないのが北海道野球の泣きどころ。でもリーグ戦は難しいかもしれないが、時々こうした交流戦を行って情報交換し、切磋琢磨しながら環境を作っていってほしい。

 ちなみにこの交流戦のあと、札幌の5年生以下チーム(次期札幌支部選抜)の名前は「札幌ダイヤモンドガールズ」に決定。来年の道予選は最低でも「釧路アクアガールズ」「札幌ダイヤモンドガールズ」「オホーツクブルーエンジェルス」の3チームで行われる見通しだ。もちろん他の支部にもチームができたら、北海道の女子学童野球、ひいては北海道全体の女子野球が盛んになることだろう。

 なお札幌市の少年野球チームに所属する選手で全国大会を目指したい人は、以下に連絡を。

●札幌ダイヤモンドガールズ事務局/090-9758-8959(一谷)

※写真提供/札幌ダイヤモンドガールズ事務局           


来春、浪商中学&高校に女子硬式野球部が誕生(2014年11月7日)

今年創立94周年

 前身の浪華商業時代から数えると春夏あわせて実に32回の甲子園出場歴(うち優勝4回)を誇る大阪体育大学浪商高校(大阪府)。高田繁、大熊忠義、張本勲、(ドカベン)香川信行、牛島和彦など、輩出したプロ野球選手は数知れず。

 そんな高校野球界の名門に、来年4月、女子硬式野球部が誕生する。高校生だけでなく併設する中学校の生徒にも門戸を開き、中高生で1チーム作って活動していくという。

 また大阪体育大学には硬式と軟式の2つの女子野球部があるため、希望すれば学校という安定した環境で中学から大学までずっと女子野球を続けることができる。中高、あるいは高大で女子野球ができる学校はいくつかあるが、中高大と女子野球ができる学校は全国初。その意味でも注目すべきニュースだ。

 監督には現在中学校で男子準硬式野球部の監督を務める松村賢治さん(34歳。比叡山高校 → 姫路獨協大学)が就任する。創部の理由を松村監督は次のように言う。
「私が指導している中学の準硬式野球部はここ数年選手の集まりが悪いので、来年硬式野球部にかわることになりました。それによって男子は中学から大学まで一貫した硬式野球環境ができます。そこでせっかく大学に女子野球部があるのだから女子にも同じ環境を作ってあげようということで、中高の女子硬式野球部を作ることにしたのです」

 松村監督に女子野球部のニーズを説き、熱心に創部を勧めたのは関西女子硬式野球界の雄、大阪体育大学女子硬式野球部の横井光治監督(大阪体育大学OB)だという。

 浪商高校には野球のグラウンドが一つしかないため、グラウンドでの練習は週1回、中学男子硬式野球部と一緒に行うが、屋内練習場もあるので練習場所には困らないという。
 ただし寮がないため、遠方から入学を希望する生徒は保護者と一緒に学校近くに引っ越してくる必要があるとのことだった。

「創部の告知が遅かったのでどのくらい生徒が集まるかわかりませんが、中高生チームとして各種女子大会に参加し、高校生の人数がそろえば高校の全国大会にも出場したいと思っています。女子の指導法など横井監督にアドバイスをもらいながら、豊かな人間性を備え、人に感動を与えられるプレーヤーを育てたいと思っています」(松村監督)

グラウンド 屋内練習場

●入試説明会/11月8日(土)13時30分~
       12月7日(日)10時30分~
●問い合わせ先/072-453-7001
       (大阪体育大学浪商高校、担当・松田博志男子硬式野球部々長)
●参考URL/ 大阪体育大学浪商高校、 創部の挨拶

※写真提供/大阪体育大学浪商高校


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