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14年12月

三重高虎ガールズ、小学生の岡山大会を制す(2014年12月15日)

初出場初優勝の快挙!

 去る12月6日~7日、倉敷市で「第6回西日本選抜女子学童野球 岡山大会」が開かれ、夏のNPBガールズトーナメント(全国大会)ベスト8の三重高虎ガールズが初出場し、初優勝した。

 09年に娘をもつお父さんコーチや監督たちが作ったこの大会は、12月開催で地域の大会とかぶらないこともあり、順調に参加チーム数を増やしている。またこの大会のためにわざわざ選抜チームを作るところもでき、昨年から参加している「北海道スノーホワイト」は、北海道チャンピオンシップ少年野球協会が全道から選手を集め、セレクションを行って参加している。
 このように夏には編成できないチームが参加したり、岡山や福井、香川のようにまだ全国大会に参加していない県のチームと戦えるのもこの大会の魅力だ。

たくさんの指導者たちの思いが詰まった大会だ

 
 6年目を迎えた今年は「三重高虎ガールズ」や愛知県の一宮軟式野球連盟が組織する学童クラブ「イチノミヤドリーム」が初参戦し、あわせて12チームで開催された。
 試合は4グループによる予選リーグと決勝トーナメント方式で行われ、各グループを1位通過した「高知ガールズ」「イチノミヤドリーム」「北海道スノーホワイト」「三重高虎ガールズ」が決勝トーナメントで優勝を争った。

 イチノミヤドリームvs高知ガールズ戦は、イチノミヤが予選リーグで大会2連覇中の強豪、福井のダイヤモンドガールズジュニアを破った勢いそのままに、5-2で高知に打ち勝って決勝へ。
 三重高虎ガールズと北海道スノーホワイト戦は三重の北岡なつ帆、北海道の岩本七海という今大会屈指の好投手たちによる投手戦となったが、最終回に三重の浅生佳穂選手が三塁打を放ち、スクイズで1点をあげて1-0で決勝に進出した。

球のキレと制球力が武器の三重の北岡投手

 イチノミヤドリームと三重高虎ガールズという初出場同士による決勝戦。

 三重は北岡-浅生のバッテリーが、1巡目はインコースで追い込んでアウトコースでアウトをとり、2巡目はその逆でアウトをとるというような、相手に的を絞らせない配球でイチノミヤを完封(8奪三振、被安打1)。攻撃では3回に四球でランナーが出ると、盗塁と連続バントで2点をもぎとり、5回にも武田真帆選手の二塁打と連続バントで1点を追加。そのまま3-0で優勝した。

 三重の小河内敏也監督は勝因を次のように語る。

1234567
三重高虎00201003
イチノミヤ00000000

「全国大会のときは自分たちは優勝できると思って東京に乗りこんだので、ベスト8で終わったのが本当に悔しくて、全員がこのままでは終われないと思っていました。その思いがあったからこそ優勝できたのだと思います。また全国大会前にたくさん練習を積んでいたおかげで、久しぶりの大会でも子どもたち自身が、勝つために今何をしなくてはいけないのか、考えながらプレーしていました」

決勝のイチノミヤvs三重高虎戦(イチノミヤの攻撃)

 さて岡山大会のポリシーは「勝負は2番目で、1番は女子だけの野球を楽しんでもらうこと」(樋口義人大会実行委員長)。そのため真剣勝負のなかにも和気藹々とした空気が漂っているが、小河内監督も、

「全国大会も良かったですが、この大会はすごくなごやかで本当にいい大会でした。休憩時間には他のチームの選手たちと名刺交換したり、準決勝の時には予選リーグで試合をした香川の選手たちが応援に来てくれたりしました。全国のあちこちにこういう大会ができたら、野球を続けようという女の子が増えるでしょうね。来年もまた参加します」
 と顔をほころばせた。

 樋口委員長も、「新たに強いチームが参加してくれるのはうれしいことですが、一番うれしいのは毎年参加してくれるチームがいくつもあることです。これからも毎年参加したいと思ってもらえる大会作りを目指します」と語った。

 岡山大会は、来年は12月5~6日に開催予定だ。

※予選リーグ(1日目)の結果はこちら → 
 順位決定トーナメント(2日目)の結果はこちら → 

今年は12チームが参加

※写真提供/大会実行委員会、三重高虎ガールズ


横浜隼人中学、高校が関東の2つの公式戦で大躍進!(2014年12月4日)

快挙を成し遂げた横浜隼人中学、高校の皆さん

 横浜隼人が関東女子硬式野球連盟主催の「U-16大会」で優勝、「後期ヴィーナスリーグ」で準優勝した。前者は中学3年生2人と高校1年生11人で、後者は高校1、2年生11人で勝ち取った栄誉だ。2つの快挙の裏側にはどんな思いがあったのか、田村知佳監督にうかがった。

――W受賞、おめでとうございます。横浜隼人は03年に軟式の高校チームとして田村監督が創部し、2010年、11年、12年と中高生の全国大会で3連覇したあと、12年秋に硬式に転向したんですよね。転向後わずか2年でこの快挙。何か特別な指導をなさったのですか?
田村 いえ、特に何もしていません。でも硬式になるとバットやボールが重くなるので、12年の秋、初めてヴィーナスリーグに出させていただいたときはパワー不足を感じました。だからパワー面の強化は意識してきたつもりです。

後期ヴィーナスリーグで準優勝した高校1、2年生たち

――具体的にはどのような?
田村 1年目はまず「硬式に慣れよう」をスローガンに練習し、2年目は「バットを振ろう」をスローガンにしました。なにしろ打てなければ試合が作れないし結果も出せませんから。またうちの選手はみんな体が小さいので、筋力トレーニングなどもやっています。

――正直言って最初の1年はなかなか勝てませんでしたが、特に今年の秋、新チームになってから勝ち星が増えた印象があります。
田村 そうですね。後期ヴィーナスリーグを戦った「横浜隼人高校」(1軍)の1、2年生は足の速い子が多いので、足をからめた攻撃ができたのが良かったですね。また選手の経験値が上がって守備が固くなり、ミスによる失点がなくなったことも大きかったです。

――経験値が上がるとは?
田村 たとえば2年前に硬式に転向してからはボーイズリーグなどの中学硬式リーグ出身の選手も入ってくれるようになりましたが、彼女たちは男子と一緒にやっていたので試合経験が少ないんです。でも高校で試合に出られるようになって様々なことを学習し、サインミスや連携ミスなどを修正できるようになったのです。

2-1と白熱した試合になったU-16大会決勝の埼玉栄戦

 たとえば大会が始まったころは、これを守ったら試合が終わるという場面で悪送球したり、連携が図れなくてフライを捕れないといったことがありましたが、大会後半では1-0の試合でもその1点を守りきれるようになったのです。

 もちろんこれは中学硬式リーグ出身の選手だけではありません。全員が一戦ごとに力をつけていったという実感があります。特に1年生の成長が著しくて、夏の高校の全国大会ではベンチ入りできなかった子が今回のU-16大会で大活躍したりしています。1年生たちは本当にのびのびして物怖じしないですね(笑)。

――ヴィーナスリーグ決勝の相手は日本代表選手がたくさんいる尚美学園大学でしたが、それにもかかわらずスコアは2-6。いい勝負をしたのではありませんか?
田村 1回の裏にガンガン打たれて5点取られ、2回にも1点取られてパワーの差を感じましたが、4回には相手のエラーで出塁し、送りバントや盗塁などで2点を奪うことができました。相手が強い大学チームだからといって諦めることなく、負けて悔し涙を流す子がいたほど強い気持ちで臨めたのがよかったですね。

U-16大会決勝で完投した高1生の樋口投手はオール京急OG。昨年、前身の大会「チャレンジマッチ」でも優勝投手になっている

――チーム作りにはどんな工夫をしているのですか?
田村 沖縄の興南高校のやり方を真似して委員会制度のようなことをやっています。1年生から3年生まで一人ひとりが何かしらの委員会に入って役割分担するんです。たとえば用具を管理する委員会とか試合記録をまとめる委員会とか。私と相談しながらではありますが、選手たちが自ら考えて動くので自主性や責任感が養えると思っています。

――特にそれを実感できたのはどんな時ですか?
田村 ヴィーナスリーグの決勝トーナメントに入ってからです。「横浜隼人高校」は駒沢学園女子高校、侍、尚美学園大学と対戦したことがなかったので、試合記録をまとめる委員たちが各チームのデータを集めてくれました。たとえば尚美学園大学の場合はジャパンカップのときの動画を見たり、リーグ戦で尚美と対戦した2軍の「HAYABUSA」の選手たちから情報を集めて尚美対策を練ってくれました。自主性が養えただけでなく、みんなで情報を共有することでチームが一体になれた気がします。

――最後に今後の目標をうかがわせてください。
田村 やはり高校の全国大会で1位をとることが目標なので、選手たちとも「そこに向けてがんばろうね」と話しました。まずは来年3月の選抜大会での優勝を目指します。

■横浜隼人高校「後期ヴィーナスリーグ」準優勝までの歩み
<予選リーグ プールA> 5勝3敗 3位で決勝トーナメント進出
<決勝トーナメント> 1回戦…vsハマンジ(4-0)、2回戦…vs侍(8-1)
           準決勝…vs駒沢学園女子高校(1-0)、決勝…vs尚美学園大学(2-6)

U-16大会で優勝した中学生と高校生たち

■横浜隼人中学、高校「U-16大会」優勝までの歩み
1回戦…vsハマンジJr.(7-0) 
2回戦…vsモンスターレディース(15-2)
準決勝…vs花咲徳栄高校(2-0)、
決勝…vs埼玉栄高校(2-1)

※大会の結果は → こちら(ヴィーナス報知facebook) 

※写真提供/横浜隼人中学、高校


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