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14年6月

関西女子硬式野球選手権で京都外大西高校が初優勝!(2014年6月19日)

創部2年目で関西チャンピオンに

 大会史上最多の16チームが参加した「第5回関西女子硬式野球選手権大会」が6月14日閉幕し、京都外大西高校が関西チャンピオンに輝いた。ゴールデンウィークに行われた「JABA子規記念杯 女子大会」に次ぐ優勝に、外大西強しの感が強まっている。

 今大会は前半で昨年の覇者、大阪体育大学と準優勝の福知山成美高校A、3位の至学館大学があい次いで敗れるという波乱の展開に。特に大体大と福知山Aはここ数年優勝を争ってきたチームだけに、この2強が消えたことで優勝の行方は予測がつかなくなった。

 そんな中、ベスト4に進出したのは福知山成美高校B(Seibi Piggies)と京都外大西高校A、履正社レクトヴィーナス、京都両洋高校Aの4つ。履正社は両洋に13-0の5回コールドで快勝したが、福知山Bと外大西Aは激戦に。
 福知山の長野恵利子監督は投手層の厚さを生かしてAチームは長身から繰り出す剛速球が魅力の古谷恵菜を、Bチームは日本代表候補の田中霞朝をエースに起用。
 外大西はその田中投手の前に打線が沈黙。「そんな超高校生級の投手、打てませんよ」と真鍋知尚監督はぼやいたが、7回に1-1の同点に追いついてタイブレークに持ち込むと、3-2で逆転勝利した。

 履正社、外大西とも準決勝の勢いそのままに決勝のグラウンドへ。

完投勝利した京都外大西の吉留投手

 履正社のバッテリーはケガから復帰したばかりの松尾莉奈投手と、チーム屈指の強打者、斎村成実捕手。外大西は今期好調の吉留紬投手がマウンドに立ち、マスクをかぶったのは今大会ショートからコンバートされた中村晶選手。外大西はさらにショート、センター、ライトに1年生という意欲的な布陣。

 試合は外大西のワンサイドゲームになった。
 1回、外大西は四球や敵失などでノーヒットで2点を先取すると、4回、2死二、三塁の場面で敵失と二番・松山加奈の適時打で2点を追加。続く三番・大橋未来が残ったランナー2人をスリーベースで返し、この回一気に4点をあげる。

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外大西2004410
履正社000202

 外大西の猛攻は5回も続き、ヒットと四死球で1死満塁とすると、押し出しで1点、さらに一番・星川あかり、二番・松山、三番・大橋の連打で4得点し、試合を決めた。

 履正社は4回に一番・池田朱里が果敢に走ってランニングホームランを決めると、三番・山岡未来が吉留投手からスリーベースを奪って出塁。次打者のボテボテのゴロの間にホームを踏んだがあとが続かず、外大西が履正社に8点の大差をつけて優勝した。(時間切れ5回終了)

 履正社は松尾、古川、杉本の継投で臨んだが外大西の強力打線を封じることができなかった。一方外大西の吉留投手は4回を除きすべて打者3人に抑える力投を見せ、MVPに輝いた。

打って走るチーム、京都外大西。真鍋野球にバントという言葉はない? 守備にも優れ、投手を守り立てる

4回にランニングホームランを決めた履正社レクトヴィーナスの池田選手 三塁打を放つ履正社レクトヴィーナスの山岡選手

 優れた選手が集まっているとあって創部1年目の昨年から強かった京都外大西高校だが、今年もまた期待の新人が加わって「マイナス1ぐらいの戦力がプラス1ぐらいにはなったかな」と真鍋監督。
 男子を3回甲子園に連れていった名将は日々女子の指導法や女子野球の勝ち方を研究中のようだが、創部2年目で早くも結果を出したのはさすがだ。

 年々チームが増え、レベルも勢いもアップしている関西。昨年はこの大会の後、松山の全国大会で関西勢(履正社レクトヴィーナス、福知山成美高校)が優勝、準優勝をさらったが、今年もその勢いは止まりそうにない。

京都外大西、履正社レクトヴィーナス、福知山成美Bのベスト3で記念写真

●参考URL/https://www.facebook.com/kansaiwomensbbl(関西女子硬式野球リーグ)

※写真提供/京都外大西高校、履正社レクトヴィーナス


来年4月、福岡県の高校に女子硬式野球部が誕生!(2014年6月18日)

 2015年4月、福岡県北九州市の折尾愛真(おりおあいしん)学園に高校女子硬式野球部が誕生することが明らかになった。九州では神村学園高等部(鹿児島)、日南学園(宮崎)に次ぐ3つ目の高校女子硬式野球部だ。

今年、創立80周年を迎えた折尾愛真学園

 折尾愛真学園は幼稚園、中学、高校、短大を擁するキリスト教系の私立学校で、高校は03年に女子校から男女共学になった。
 
 同学園は今年4月に中学と短大に野球部を新設して野球環境の拡大に努めているが、女子硬式野球部の創部を学園に提案したのは高校硬式野球部の奥野博之監督(三重県明野高校で甲子園出場→法政大学)だという。

 実は奥野監督はずっと、女子が思い切り野球をできる環境を作ってあげたいという思いを抱いていたのだとか。10年前、共学になると同時に作られた硬式野球部の1期生に女子選手がいて、女子は公式戦に出られないとわかっていても一生懸命練習する姿を見ていたからだ。
 また男子選手のスカウトで九州北部や中国地方の中学クラブを回った際、所属する女子選手が野球環境を求めて遠方の高校に進学することを知り、九州北部にも女子硬式野球部が必要だと痛感したのだという。

 そこで学園と話し合い、創部が決まると、監督として白羽の矢を立てたのが社会人硬式野球クラブ「武蔵野クラブ」で一緒にプレーしていた磯部貴一郎さん(43歳)だった。磯部さんは埼玉県川越商業高校(現・市立川越高校)時代に甲子園に出場し、横浜市の少年野球チーム「山手メイツ」の指導も行ってきた人物。

広大なグラウンド。ここを男子と共用する予定だ

「お話をいただいたときは戸惑いもありましたが、実はつい先ごろまで神奈川県に住んでいたので子どもから大人までたくさんの女子チームを見る機会があり、女子野球に興味をもっていました。また指導していた少年野球チームにも女の子がいたので、女子の指導経験もあります。
 ですから微力ながら福岡、ひいては九州の女子野球を盛り上げられればと思ってお引き受けしました。技術や戦略を教えるのは当然ですが、私はやはり人間教育を重視したい。高校生ともなれば卒業後すぐ社会人になる人もいますし、今までの野球人生を振り返っても、人として成長すれば自然と野球もうまくなるからです」

 女子専用グラウンドはないが、校内にある投球練習場や、学校から自転車で15分の野球部のグラウンドを男子とうまく共用したいという。週末は学校近くのグラウンドを借りる予定だ。寮は今後検討していくという。

 詳細は今後詰めていくそうなので、高校まで問い合わせてほしい。

●学校見学会/7月12日(土)、9月20日(土)、10月11日(土)、11月15日(土)
●問い合わせ先/093-602-2100(折尾愛真高校、担当・磯部貴一郎)
●参考URL/http://www.orioaishin.ac.jp/hs/(折尾愛真高校)

※写真提供/折尾愛真学園


丹波連合が参加者募集中。君も「女子高生の甲子園」に出よう!(2014年6月13日)

 気がつけば夏はもうすぐそこ。7月末からは兵庫県丹波市で今年も高校生の夏の全国大会(通称、女子高生の甲子園)が開かれる。

 この全国大会に毎回、自分の学校に女子硬式野球部がない選手を集めたチーム「丹波高等学校連合」(以下、丹波連合)が結成されるのをご存知だろうか。全国高等学校女子硬式野球連盟が、女子野球環境のない高校生たちに全国大会を経験させてあげたいと、05年夏から続けている活動だ。もちろん営利目的ではない。

足立俊長監督

 
 監督を務めるのは中高生硬式クラブ「丹波ガールズ」の足立俊長監督で、丹波連合は正確に言うと同チームの高校生に、応募してきた選手を加えて結成される。

 この活動、実は現地の人手作りの野球のサマースクールのような側面をもつ。
 まず集合は大会3日前(今年は7月23日を予定)。宿舎に荷をほどいたら、昼は練習に励み、夜はカラオケなどで親睦を深める。豊かな自然に囲まれた土地だけに、川遊びも恒例行事だ。

川遊びを楽しむ参加者たち(12年夏のメンバー)

 宿泊するのは丹波ガールズの宿舎(同チームには遠方から通ってくる選手のための宿舎がある)。そこでチーム関係者が足立監督が作ったお米を炊き(監督の実家は農家)、土地のものを使った手料理をふるまってくれる。
「ホテルに泊まったらとんでもないお金がかかるでしょ。でもうちの宿舎ですから格安で泊まれるんです」
 と足立監督。

 自分のチームもあるのに、毎年全国から集まった子どもたちの面倒を見るのは大変だと思うが、
「いやいや、ぜひいらしてください。全国から集まった仲間と全国大会という大舞台で野球をするのはとても素晴らしい経験です」

 さらにうれしいのは、高校の全国大会が終わった後、希望者は松山の全国大会にも丹波連合の一員として参加できることだ。高校の全国大会は7月25日(抽選会)~31日。松山の全国大会は8月2~6日。日程と費用の問題さえクリアできれば、高校の全国大会のあと丹波で練習し、そのまま松山に行くことができるのだ。
「引率はもちろん私たちが責任をもってやります!」(足立監督)

 今年はすでに沖縄や東北からも申し込みが来ているという。丹波のみなさんの温かい気持ちに包まれながら全国大会で思い切りプレーする…。なかなかできない貴重な経験だ。知り合いに野球大好き高校生がいたら、ぜひ教えてあげてほしい。

●申込先/090-1591-9224(堀秀政・連盟事務局長) または
     080-1429-9433(足立俊長監督)
●申込締切/7月20日ごろ

丹波連合は春と夏の全国大会のときに結成され、写真は今春行田市で行われた大会のときのメンバー。右端は足立監督

※写真提供/丹波連合


札幌シェールズ、息詰まる熱戦を制し、春の北海道大会4連覇(2014年6月11日)

今大会は7チームで行われた

 関東、関西、東海と並んで女子軟式野球が盛んな北海道。その女子野球のメッカで毎年春と秋の2回行われているのが北海道選手権大会だ。
 その第16回春季大会が6月7~8日、札幌市内で行われ、札幌シェールズが苫小牧ガイラルディアを4-1で破って優勝した。

先発した中学3年生の宮田選手。足の速さは道女連で一二を争うとか

 実はこの2チーム、宿命のライバルともいうべき間柄で、直近の5年10大会のうち5大会の決勝であいまみえている。優勝はシェールズ4、ガイラルディア1という結果だけに、打倒シェールズに燃えるガイラルディアだったが…。

 ガイラルディアが送り込んだ先発は15歳の宮田樹莉亜選手。走攻守そろった選手で、ストレートは110km弱。カーブ、スライダーのキレもよく、大会前のオープン戦では負けなしとあって、監督コーチの期待を一身に背負って登板した。

 シェールズのマウンドを任されたのは39歳の小川雅子選手。小川選手は第2期チーム・エネルゲンのメンバーだった「レジェンド」で、ベテランらしい緩急をつけた投球が持ち味。決め球のストレートは年齢を感じさせないほどの球威だ。今期は5月の碧南大会から調子を上げてきた。

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シェールズ01102004
ガイラルディア00100001

 試合はこの親子ほども年が違う2人の好投手を、お互いの打線がいかに攻略するかにかかっていたが、2回、シェールズは先頭打者の佐藤菜月が宮田投手をとらえ、内野安打で出塁。その佐藤を今期急成長の佐藤楓が右中間を破る適時打で返して1点先制。勢いに乗ったシェールズは3回にも敵失と本吉若菜の三塁打で1点を追加する。

 対するガイラルディアはその裏、谷平遥の二塁打を足がかりに水落令央那の二塁打で1点を返すが、5回、シェールズは疲れの見えた宮田投手から四死球を奪い、池田由紀子の適時打でダメ押しの2点をあげる。
 なんとしても追いつきたいガイラルディアは6回に1死二、三塁のチャンスを作ると、次打者のピッチャーゴロの間に三塁ランナーが本塁に突入。しかし小川投手は落ち着いて捕手に送球し、タッチアウト。

優勝した札幌シェールズのみなさん。MVPには佐藤楓選手が選ばれた

 結局ガイラルディアは毎回ランナーを出すも攻めきれず、涙を飲んだ。投手対決も終始安定したピッチングで完投した小川投手に軍配が上がった。

 北海道では今、昨秋創部した石狩リヴェントが大会に初参戦し、中高生の数も増えるなど活気に溢れている。この勢いで久しぶりの全国大会制覇なるか? 各チームの活躍に期待したい。

※写真提供/札幌シェールズ、苫小牧ガイラルディア(宮田選手)


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