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15年9月

全国大会出場を目指し、岡山県で女子野球フェスティバル開催(2015年9月22日)

野球教室の様子。右奥が大倉監督

 岡山県の女子野球を盛り上げようと、9月13日(日)、小学生を対象にした「女子野球フェスティバル」が行われた。主催したのは毎年12月に「西日本選抜女子学童野球 岡山大会」を開いている岡山県学童軟式野球協議会だ。
 特筆すべきは軟式硬式問わず、岡山県の全女子野球チームがその運営をサポートしたこと。女子野球日本代表の大倉孝一監督(岡山県在住)率いる環太平洋大学女子硬式野球部、硬式クラブ「倉敷ピーチジャックスレディース」、中学軟式クラブの「岡山スカイマーメイド」だ。 

 まさにオール岡山体制で行われたこのフェスティバル。開催の理由を樋口義人協議会事務局長は次のように言う。
「私たちが主催する岡山大会は、おかげさまで今では中国地方はもちろん、北海道、北陸、関東、東海、関西などからもチームが参加してくださるようになりました。3年前からはNPBガールズトーナメント(全国大会)に出場したチームも来てくださっています。
 でも岡山の女子学童チームは未だに全国大会に参加できていないんです。それはやはりまだまだ女子野球の楽しさや全国大会の意義が、選手や保護者たちに浸透していないからなんでしょうね。そこで岡山の女子野球の発展のために、まずはイベントを通して小学生の意欲を喚起し、全国大会出場を目指そうと考えたのです」

 大倉監督も、「小学生たちにもっと女子野球を楽しんでもらいましょうよ」という樋口事務局長の言葉に、快く協力を約束してくれたという。

 晴天に恵まれた13日、広々とした環太平洋大学グラウンドには2年生から6年生まで43人の小学生と、彼女たちをサポートする選手たち約50人が集まった。
 まず大倉監督による野球教室が行われ、そのあとは小学生たちによる紅白戦。1試合目は6年生vs岡山スカイマーメイド(中学生)、2試合目は5年生以下を2つに分けて試合が行われた。
 集まった小学生のほとんどが少年野球チームでプレーしているとあって、試合は白熱。勝敗はさておき、試合のあとはあちこちで「楽しかった」「また女子で試合をしたい」という声が聞かれたという。

 協議会はこの日、12月5、6日に開催される第7回岡山大会に向けて学童チーム「岡山レインボーガールズ」のメンバーを募った。選手は順調に集まり、「いい選手もいるし、手応え充分です」と樋口事務局長は笑顔を見せた。

 岡山の女子野球関係者の熱い思いが子どもたちに届く日は近い。来年の夏、第4回NPBガールズトーナメントや、新設される中学生の全国大会(軟式)に岡山チームが参加するのも夢ではないだろう。
 なおこのフェスティバルは来年以降も開催予定とのことだった。

岡山県の女子野球関係者が大勢集まった

※写真提供/岡山県学童軟式野球協議会


読売巨人軍が大規模な女子学童大会を創設(2015年9月10日)

 今まで女子大会の後援はすれど自ら大会を作ることはなかったNPBのチームが、遂に女子大会の運営に乗り出した。その第1号が読売巨人軍だ。

大会パンフレット

 神奈川県川崎市と東京都の女子学童チーム38チームが参加する「シスタージャビットカップ」がそれで、巨人軍が04年から主催する少年野球大会「ジャビットカップチャンピオンシップ大会」の女子版という位置づけだ。8月20日にすでに東京ドームで開会式をすませており、11月23日(日)に川崎市の読売ジャイアンツ球場で決勝戦を行う予定だ。

 同じ神奈川県でも横浜市や鎌倉市など、他の地区のチームが対象にならないのはジャビットカップと同じで、その理由を巨人軍広報部は「川崎市とは特別な関係にあるからです」と言う。つまり巨人軍の2軍のホームグラウンドである読売ジャイアンツ球場は川崎市にあり、そのご縁を大切にしているのだそうだ。
 そしていつもお世話になっている川崎市の野球振興のために始めたのがジャビットカップであり、今回のシスタージャビットカップなのだという。

 試合は最終的に東西対抗戦になるように組まれている。つまりまず参加チームを東部(東京23区)と西部(川崎市+23区以外)の2つに分け、それらをさらに2つ(全4グループ)に分けてトーナメントを実施。各グループの首位に立った4チーム(東部2チーム、西部2チーム)で準決勝、決勝を戦うのだ。

 この東西対抗という発想が生まれた背景には興味深い話がある。
 実は07年にジャイアンツ球場でヴィーナスリーグの決勝戦が行われたことがあるのだが、その試合前に女子学童の交流大会(シスタージャビット大会)がエキシビションマッチとして行われた。そしてそれをきっかけに巨人軍が後援する2つの女子学童大会を作る話がもち上がったのだ。一つは川崎市と東京都下(23区以外)のチームが参加する「シスターリーグ西東京大会」、もう一つは23区のチームが参加する「シスターリーグ東東京大会」だ。シーズン最後にはそれぞれの優勝チームが頂上決戦を行うという構想もあった。
 
 しかし西東京大会がスタートする一方で、東東京大会は結局「東京都学童女子リーグ(通称TGL)」という大会になり、頂上決戦が行われることもなかった。

トーナメント表

 そんな過去を踏まえ、この大会は改めて東西対抗戦という形で企画され、大会役員にはシスターリーグ西東京大会の役員とTGLの役員が入り、協力して大会を運営している。

 試合の結果は随時巨人軍のサイトにアップされているのでのぞいてみてほしい。
 なおこの大会ができたことによってシスターリーグ西東京大会はその歴史に幕を下ろしたが、TGLは今後も継続していくとのことだった。

 さて最後にもう一つうれしいニュースを。巨人軍以外の12球団の一つが年内にも女子学童大会を新設予定なのだ。
 女子大会を主催する第2の球団はどこか。情報が解禁になったらまたこのページで紹介したい。

※巨人軍以外の12球団の一つが計画していた女子学童大会は、年内開催が見送られました。


千葉県の秀明八千代高校が女子硬式野球部創部へ(2015年9月9日)

 来年4月、千葉県に初の女子硬式野球部が誕生することになった。作るのは八千代市の秀明八千代高校で、系列校に秀明八千代中学校、秀明大学がある。

チラシ

 千葉県は東京都や神奈川県と並んで古くから女子学童野球が盛んな土地で、1988年創部の大和田スカーレット(八千代市)や00年創部のオール船橋レディース(船橋市)などたくさんのチームが活動している。13年の第1回NPBガールズトーナメントでは千葉なのはなガールズ(オール船橋レディースを中心とした選抜チーム)が準優勝したのは記憶に新しいところだ。

 中学軟式野球でも11年創部の千葉マリンスターズヤング(中学生クラブ)や千葉マリーンズ(中学野球部員チーム)が、硬式ではLSレディース(リトルシニア東関東支部が編成し、千葉県を拠点に活動。10年創部)が各種女子大会で優勝し、存在感を示してきた。

 それにもかかわらず千葉県にはこうした熱意ある中学生を受け入れる高校が一向に現れなかったため、やむなく県外の女子野球部のある学校に進学したり、野球を諦めたり、はたまた男子野球部のマネージャーになるしかないのが現状だった。

 また子どもから大人までの流れを見た場合、千葉県には全国大会優勝多数の軟式クラブ、千葉マリンスターズや、千葉商科大学女子軟式野球部などがあるが、高校チームがないため、せっかく育った小中学生が大人の野球にスムーズに移行できない状況にあった。
 それだけに今回の創部は中学生の受け皿として、また県下の女子野球の糸をつなぐものとして期待される。

 さて前置きが長くなったが、早速創部のいきさつを発案者の堀江大典先生(46歳、秀明八千代高校硬式野球部 → 神奈川大学準硬式野球部)にうかがった。

「私は都合20年間、秀明八千代中学校の軟式野球部顧問を務めてきましたが、千葉県の中学野球の現場を見ると優れた女子選手がいたり、女子選手の数が増えているという実感がありました。こうした状況を見るにつけ、こんなに野球をやりたい選手がいるのなら県内の高校でやらせてあげたいという思いがふくらんでいったのです。
 そこで理事長に相談したところ快諾が得られたので、7月末に千葉県中学野球連盟に創部のご挨拶に行き、本格的に動き始めました」

 堀江先生の熱意によって準備は着々と進み、グラウンドは中学野球部が使用していたものを改修して使うことになり、遠方の選手のために秀明大学の学生寮のなかに部員用の部屋も確保したという。グラウンドも寮も中学・高校の敷地内にあるのが魅力だ。監督についても学内で話し合いが進んでいる。

 説明会は10月から開催するそうなので(右上のチラシ参照)、千葉県内で野球を続けたい人はぜひ足を運んでほしい。もちろん千葉県外の選手も大歓迎とのことだった。

●問い合わせ先/047-450-7001(秀明八千代高校 担当・堀江)
●参考URL/http://www.shumeiyachiyo.ed.jp/(秀明八千代高校)

秀明八千代中学・高校全景

※写真提供/秀明八千代高校


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